二十数年のヨーロッパ生活を終えて日本に戻ったのは2017年。現在芸術監督を務める滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールで公演時、紹介してもらった近くのレストランです。外観も内装もドイツ伝統の木組み。スタッフも私がかつて暮らした南ドイツの民族衣装で決めて、現地の家庭料理がしっかりと再現されています。
お気に入りはこの白ソーセージ。豚の腸を使ったボイルソーセージで、昔は冷蔵技術などが無く「正午の鐘が鳴る前に食べる」という伝統があったとか。真ん中にナイフで切れ目を入れて開き、中身だけをいただくのが本場の食べ方。私は皮も好きなので最後には全部食べてしまいます。香草がほんのり香るソーセージの軟らかい食感と、添えられた甘いマスタードが絶妙です。仲間も連日通うほどほれ込んでいましたね。
3年前から母校の教壇に立っています。学生には物事の本質を捉える感覚を大切にと伝えています。日本の音楽教育は細かな奏法に目を向けがちですが、大切なのはまず全体像を見ること。発想転換で音楽のスケールは一気に変わります。「1+1」を「3」にも「4」にもするのが私たちの仕事。私は海外で活動を始めた〝逆輸入指揮者〟。自由な発想で音楽のすばらしさを伝えていきたいと思っています。
(聞き手・大和田真理子)
◆大津市由美浜5(☎077・526・3500)。850円。午前11時~午後3時半、5時~9時(各閉店1時間前ラストオーダー)。不定休。