甘いものはそんなに食べないけれど、フィナンシェは別。中でもここのはバターのジュワッと感が前に出すぎていなくて、ほんのり甘くてカリッとした食感が好み。友人からの差し入れで出合って以来、この1年で4回もリクエストしてしまいました。
高座に上がる前は、着物の帯もきつく締めるので、何も食べないようにしています。家に帰ってから風呂に入り、今日のことを思い出しながらアイスコーヒーをお供にして食べるのが至福の時間。特別なご褒美というよりは、ふとそばにあるとうれしい存在です。
今年、落語家として20周年を迎えました。僕の落語は一から作る新作落語。寝ている間以外はずっと落語のことを考えています。これだ、というテーマが見つかったらひたすら物語を作っていき、寄席の1カ月前から話す練習をします。
飽き性なのにずっと続けてこられたのは、作る作業が大好きだから。ここのフィナンシェも、ひと口食べただけで職人さんの丁寧な仕事が伝わってくる。落語への思いと重なるところも、引かれる理由です。
そういえば、このフィナンシェを初めて食べた日の高座は、めちゃくちゃウケたんです。すごく気分が良かった思い出も相まって、大好きなお菓子です。
(聞き手・片山知愛)
◆東京都世田谷区船橋1の38の11。330円。午前11時~午後6時、土日祝は午前10時~午後5時。原則月木休み。営業時間、休業日はインスタグラムで要確認。