子どもの頃から通っている山田うどん食堂。出版社の編集者時代には「山田」を徹底解剖した本も担当しました。山田を題材にした角田光代さんの小説も収録して、よくあんなぜいたくができたなと思いますね。
「パンチ」は、しょうゆベースの豚のもつ煮込み。もつ独特のかみ応えとうまみ、細切りこんにゃくとメンマの歯応えもよく考えられています。一緒に頼むうどんの濃いめのつゆを飲んだ後、味が染みたパンチでさらにのどを乾かしにいく気持ちよさといったら。
メニュー名は社内会議でパンチのある名前を思案していたところ、「じゃあパンチで」と決まったそうです。なんでだよと(笑)。でも「パンチ」を知る仲間を見つけた時、なんだかうれしくなるんですよね。
山田のコンセプトは、「今日、山田『が』いい」ではなく「山田『で』いいか」なのだとか。ブームを狙わず、いつもの味であり続ける。創業から90年以上続く秘訣(ひけつ)でしょう。
僕もライターとして、何を書いたら跳ねるかではなく、淡々とやり続けることを意識してきました。僕がリスペクトを感じる対象は何かを長く続けること。そういや山田があるな、と認知させ続けるのは実はすごく大変なこと。もう尊敬も尊敬です。
(聞き手・中村さやか)
◆埼玉県を中心とする関東エリアの幹線道路沿いなどに144店舗を展開。570円(200g)。冷凍のネット通販(https://shop.yamada-udon.co.jp/)も。山田食品産業(☎04・2995・1311)。