1980年代の後半、横須賀で写真を撮っていたころに出会ったラーメン店の味が忘れられなくて。閉店してからは、あれ以上の味はもう外では味わえないと思い、生麺を買って家で作るようになったの。スーパーで売っている生麺はほとんど全部食べたけど、どれもいま一つ。
でも桐生に行った時、人に勧められてここの麺を買ってみたら、他とは全然違ったの。コシがあって、小麦の香りがして、新鮮。製麺所の直売品だからね。透き通ったスープも悪くない。横須賀のラーメンを思い出して、うれしくなっちゃった。
定番の具は、メンマ、ホウレン草、モヤシ、ゆで卵と手作りのチャーシュー。ネギは多めにスープに浮かべてね。見栄えがいいように具の配置も決まっているの。器にもこだわりがあって、青い雷文が入った白いどんぶりが理想。実はこれも例のラーメン店の影響なんですよ。
◆群馬県桐生市本町6の1(TEL0277・44・1154、FAX44・1152)。ファクスでも注文可(送料別)。
手もみ麺(細)86円、ガラ入り醤油スープ43円。
午前9時~午後7時。
(水)休み。
いしうち・みやこ 写真家。
8月21日まで東京・銀座の資生堂ギャラリーで個展「Frida is」を開催。写真集「フリーダ 愛と痛み」(岩波書店)が発売中。