東京で稲庭うどんと聞くと、少し高級なイメージがありますよね。でも地元の秋田では、とても身近な食べ物なんです。短く切ったパラパラの麺も売っていて、離乳食にもなるほどやさしい麺なんですよ。

　老舗の佐藤養助さんは、私の出身地・秋田県横手市のお隣の湯沢市に総本店があって、地元の有名店です。一番シンプルなメニューの醤油（しょうゆ）せいろは、のどごしが良く、胃が疲れているときでも、つるんつるんって食べられちゃう。つゆも濃すぎず少し甘めで、とても上品です。

　自宅用に麺を買って、夏は冷たく、冬はにゅうめん風にいただくことも多いです。普段のお料理には、旬の食材を取り入れて、東京での暮らしの中でつい忘れがちな季節感を感じられるように心がけていますが、稲庭うどんは麺とつゆだけでも十分。いつでもホッと安心できる味わいが好きです。

◆東京都中央区銀座６の４の１７（ＴＥＬ０３・６２１５・６２１１）。
　昼１０００円、夜１２００円（サービス料別）。
　午前１１時半～午後２時４５分、５時～翌午前１時半（（土）（日）（祝）は午後８時４５分まで）。終了時間はラストオーダー。

　まさき　モデル、デザイナー。
　東京・自由が丘に服飾雑貨を扱う「ハグ　オー　ワー」「クロス＆クロス」の２店を展開。著書「ＳＥＮＳ　ｄｅ　ＭＡＳＡＫＩ　ｖｏｌ．４」（集英社）発売中。