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林綾野さん
「御徒町 吉仙」の納豆そば

「御徒町 吉仙」の納豆そば
「御徒町 吉仙」の納豆そば
「御徒町 吉仙」の納豆そば 林綾野さん

 仕事柄、美術館の多い上野によく行きます。展覧会で知り合いに会うと、一緒にご飯を食べて帰ることもしばしば。そんな中、上野通の友人が教えてくれました。

 納豆、卵の黄身、大根おろしなど7種の具が彩りよくのっていますが、納豆がかなり大粒。香りはやさしく、大豆の味がしっかり伝わります。私は10年ほど前から江戸時代の食について調べているのですが、文献を読むと、納豆は大粒だったようです。当時はこんな味だったのかなと想像がふくらみますね。卵の黄身が、絵の具で言うならばバーミリオンのような濃いオレンジで、白い大根おろしに溶け込む様子も美しいです。

 私は、納豆やしらすなどそれぞれの具とそばを一緒に味わい、最後は全部混ぜます。一緒に来た人と共に混ぜながら「おいしいね」と言い合う時の一体感が好きです。

 

◆東京都台東区台東4の8の5(TEL03・5688・1200)。
 1350円。
 午前11時半~午後3時、5時~9時(ラストオーダー、(土)(日)(祝)は8時まで通し営業)。
 無休。


 はやし・あやの キュレーター。
 10月22日~12月11日、ひろしま美術館「安野光雅のものがたり絵本展」の企画を担当。スープストックトーキョーでコラボメニューを10月24日から販売。

(2016年10月20日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)