2000年に結婚したのと同時に東京・目黒に移り住んで、偶然出合ったお店です。月替わりの懐石コースを提供していて、ほとんど毎月行っていました。11年に日本橋に移転したときは、本当に悲しかったです。
コース料理の途中に、おしのぎで、小さなおわんにちょこっと一口の量のおそばが出てくるんです。料理は毎月違うけれど、おそばだけは同じ。ネギかミョウガが軽くかかり、おつゆが薄味で、おそばは細くコシがあって香り高い。私は薄味が好きで、やわらかい味にほっこりします。たぶん一口ってところがミソなんでしょうね。また食べたくなる、ほどよい量。今まで食べた中で、ここのおそばが一番好きです。他の料理もスモールサイズ。盛り付けなどが彩り豊かで、お野菜や魚介の味がいきている。手間をかけて大事に作られた味がするんですよね。
今は、編集者を交えたお祝い会や少人数の打ち上げで使っています。毎年夏に出るアユ料理が絶品で、今年も夫と一緒に行きました。また近々行きたいな。
◆東京都中央区日本橋2の2の20の地下1階(TEL03・3275・9475)。
6480円(10品)、5400円(9品)。
午前11時半~午後1時半、5時半~9時(ラストオーダー)。
(日)(祝)と12月29日~1月6日休み。
コースは要予約。
もり・えと 作家。
第12回中央公論文芸賞を受賞した著書の「みかづき」(集英社)が、NHK総合で連続ドラマ化し、1月放送開始予定。近著に「出会いなおし」(文芸春秋)。