月に1回、東京・四谷のシャンソンライブハウス「蟻ん子」の舞台に立ってるのね。64歳の時に、軽井沢の町おこしに一肌脱ぐつもりで「歌いましょうか」なんて軽口たたいたのが運のつき。七転八倒の日々よ。ライブ終わり、つけまつげのギラギラした顔のまんまで船見坂さんの暖簾くぐってラーメンを食べるんだけど、これ、自分へのご褒美なの。
変な話、子どものころ我が家の年越しそばはラーメンでね。即席麺なんかは食べさせてもらえなくて、静岡県沼津市に「とんちんけん」って店が昔あったんだけど、そこのラーメンだけ年に1度食べられたの。そのおいしかったこと。今もってラーメンは私の憧れ。
うんちくは傾けられないけど、ここのスープがおいしいの。見た目はあっさりなのに口に運ぶと、こだわりの塩ベースに、豚や鶏、ホタテなどの魚介、野菜なんかのうまみが凝縮されていて濃厚。78歳にもなると過度な塩分摂取は命取り。でも、エビの香味油にも食欲をそそられ、残さずズズズよ。たまにだけれど、疲れた時やうれしい時にはラーメンが食べたくなるよね。
◆東京都中央区銀座2の12の11(問い合わせは03・5565・5541)。
900円。
塩そば700円、手作り餃子380円(6個、持ち帰り可)。
午前11時~翌午前4時((土)(日)(祝)は午後10時まで)。
原則無休。
たじま・ようこ 女性学研究家。
13~19日、東京・表参道のギャラリーコンセプト21で個展「書アート」を開催。7月7日、東京・渋谷のNHKホールで開催されるシャンソンの祭典「パリ祭」に出演。