浅草演芸ホールの近くにあるお店です。初めて食べたのは入門したての頃。寄席の後、古今亭志ん駒師匠に誘ってもらい、他の前座さんたちと一緒に。師匠はずっと「カレーそば」と呼んでいました。麺は、うどんかそばかを選べるのですが、いつも全員がそばでした。
なみなみ注がれたカレーあんに、おおっと驚きました。最初にあんを少し食べてから麺をすすらないと、こぼれそうなほど。ベースが和風だしで、辛すぎず優しい味です。ご飯にかけて食べてみたい。太めの麺がたっぷり入っていて、満腹になります。
父が製麺会社で働いていたので、そばやラーメンはもっぱら家で食べていました。母がだしをとって、父がゆでて。そんな両親が上京した時も、一緒にお店に行きました。小上がりがあって、昔ながらの気取らない雰囲気もいいですね。
寄席の後は、一門や仲間たちと食事に行きます。そこで、先輩から昔の名人の話や失敗談を聞くのは貴重な機会。畳の上で向き合っての稽古とは別の学びがあり、「自分の一部」になっていると思います。
◆東京都台東区浅草2の5の3(問い合わせは03・3841・4641)。
650円。
午前11時45分~午後3時、4時半~7時半。
(日)休み。
はやしや・ぼたん 落語家。
2002年に林家こん平に入門。16年真打ち昇進。11日~20日、東京・浅草演芸ホールの「お盆特別興行」、17日、横浜市西区のみなとみらい駅の「駅ナカ落語会」に出演。