スピードスケートの現役選手だった時から、食事はひとつの楽しみで、たまの休日には、大好きな麺料理を食べて、ストレスをためないよう心がけています。
昭和軒には、体のメンテナンスと、姉の勤める美容院で髪を切るため、数カ月に1度、トレーニング拠点の山梨から東京へ出た時に行っていました。美容院で「長崎の味を表現した、このあたりで一番おいしいちゃんぽんがあるよ」と教えてもらったのがきっかけです。野菜がたっぷり入って、一杯の量も多く、食べ応えがあります。スープを飲んで、水を飲み、またスープを……この繰り返しがたまりません。昭和軒でのこのひとときをいつも楽しみにしていました。
2016年、平昌五輪まであと1年半という時に、練習中に右足の腱と神経を断裂するケガをしました。治療とリハビリを経て、再び五輪を目指す過程で、ただ頑張るのではなく、適切に休息をとることの大切さにあらためて気づきました。昭和軒のちゃんぽんは、がむしゃらに頑張り続けた現役時代をそっと支えてくれた思い出の一杯です。
◆東京都渋谷区神宮前3の22の12(問い合わせは03・3401・6732)。
860円。
午前11時半~午後4時。
(日)休み。
きくち・あやか 2018年平昌冬季五輪スピードスケート女子団体パシュート金メダリスト。
同年現役を引退、現在は富士急行スケート部コーチとスピードスケートナショナルチームアシスタントコーチを兼務。