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長田渚左さん
「手打蕎麦まるやま」のせいろ

「手打蕎麦まるやま」のせいろ
「手打蕎麦まるやま」のせいろ
「手打蕎麦まるやま」のせいろ 長田渚左さん

 日本そばが好きで、おそばやさんにはこうあってほしいというイメージがあるんです。その満点がここ。清潔感があって、おかみさんが美人。テーブルには毎日違うお花が一輪、さりげなく生けてあってお通しの煮物なんかもきわめておいしい。

 私は春夏秋冬、季節を問わず、そばはせいろ。冬は寒いので、お風呂に入って体を温めてから行きます。午前5時ごろから仕事をしていることが多いので、午後にお通し2、3品と日本酒「獺祭(だっさい)」1合とともにいただいていると自然と笑みがこぼれてしまいます。「正しい午後のあり方だわ」って。

 馬鹿高い、偉そうなおそばやさんて納得できない。ここのおそばはいつ食べても、きちんとおいしい。私もこういう風に生きたいなと思います。毎日の自分の生活をただされる気がするんです。食べ終わった後に一礼したくなるお店ですね。

 

◆東京都杉並区和泉1の2の3(TEL03・3321・1478)。
 800円。季節のお通しは150円。
 午前11時半~午後3時、6時~8時45分ラストオーダー。
 (木)休み。


 おさだ・なぎさ ノンフィクション作家。
 1964年の東京五輪で活躍した体操のチャスラフスカの半生を取材中。

(2013年12月17日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)