山口県の人には「どんどん」はなじみがあると思います。
私は子どもの頃によく祖母に連れられて行き、中学・高校時代には学校帰りにおやつ感覚で食べていました。
モチモチとした軟らかい麺に甘く煮た肉がすごく合うんです。お店の人に悪いなぁと思いながらもかけ放題のネギを山のように盛って、ピリッとした風味を加えて食べるのが好きですね。
小さい頃から「小学校に上がったら自分のものは自分で作れるように」と育ててもらい、台所に立ったり栗拾いに連れて行ってもらったり、遊びの一部のように「食べること」がありました。
食への興味があったので、高校2年の時には先生に掛け合って「食物部」を作ったことも。
学校で料理を作って食べる部活で、その帰り道に「どんどん」に寄ってうどんを食べて、夜も家できちんと夕食をとる。今も2人前くらいは食べられます。家政婦って基本的に立ち仕事なのでカロリーを消費するんでしょうね。
「どんどん」は各地に店舗がありますが、私にとっては地元の山口で食べるもの。たとえ同じ味でも、聞こえてくる方言とか祖母や学生時代を思い出す、記憶と結びついている味。
料理は思い出や場所の雰囲気も含めて楽しむものだと思っています。
◆山口県を中心に、島根、広島、岡山、東京に計34店。
480円(一部店舗では異なる)。
ネギの追加は無料。
テイクアウト可。
問い合わせはスナダフーヅ(0838・24・3333、(月)~(金)の午前9時~午後5時)。
たさん・しま 家事代行・料理家。
日仏で調理師専門学校を卒業後、フレンチレストランでの研修、勤務を経て「家政婦」として独立。レシピ本「伝説の家政婦 志麻さんがうちに来た!」(世界文化社)など、著書多数。