秋田市の実家ではお歳暮などでいただくものの一つでした。
稲庭うどんは秋田県湯沢市の特産品。県内全域でよく食べられていますが、位置づけとしては贈答品で使われるような高級品。
実家の仏壇の横に頂き物を積み重ねておくスペースがあって、学生時代は帰省した時にガサッともらって帰ったり、親に送ってもらったり。
家庭によって違うと思いますが、うちでは必ず鶏肉とネギが入っていました。
具材が多すぎず体調が悪くてもスルーッと入るので、小さい頃は風邪をひくとおばあちゃんが作ってくれた、私にとっては「おばあちゃんの味」です。
ヒマラヤ登山の遠征時はセットのつゆも持参。
死と隣り合わせの登山では常に緊張状態が続き、肉体だけではなく精神もすり減ります。
ふもとにいる時はいかにリラックスした状態を作るかが重要で、心の休養を取るために持って行った食材でした。
シリア人の夫が食べられる日本食の一つでもあります。
アラブ料理はおいしいけど、息子たちには両方の味に親しんでほしいので、家では和食とアラブ料理の2種類を用意します。
稲庭うどんは子どもにもお年寄りにも食べやすく、パッと手軽にできるのもいいですよね。
◆公式サイト、電話で購入可(問い合わせは0120・411720)。
写真は贈答品用の麺・つゆ各80グラム×3個、1620円(送料別)。
総本店のある秋田を中心に、東京、神奈川、福岡の直営店の一部でも販売。
こまつ・ゆか シリア難民をテーマにする写真家。
1982年秋田県生まれ。2006年、エベレストに次ぐ高峰・K2(8611メートル)に日本人女性で初めて登頂し、植村直己冒険賞を受賞。近著に「人間の土地へ」(集英社インターナショナル)。