1985年から37年間、地元福岡の地方紙で料理コラムを連載しています。まだインターネットが無かった時代、その当時住んでいた北九州市の製鉄所の社宅から、新聞社のある福岡市の中心部まで、直接原稿を届けに行っていました。無事仕事を終えた後、「ごぼう天うどん」を食べるのが一番の楽しみでしたね。
因幡うどんの「ごぼう天」は、長めのささがきにしたゴボウをかき揚げ状にして、からっと揚げたもの。福岡では定番のメニューで、普段は「ごぼう天」ではなく「ごぼ天」と呼んでいます。うどんはやわらかめ、つゆは透き通っていて、だしがよくきいています。
3人の子どもたちの大好物で、家庭でもよく作りました。お手伝いのご褒美が「ごぼ天」うどんだったことも。レシピのポイントは、2人分のだし600㎖に、小さじ1杯の酢を入れること。だしの磯臭さが消えて、さらにおいしくなります。
50年以上仕事を続けてきましたが、もう飽きた、と思ったことはありません。その時代のニーズに合わせて変化しながら、楽しく仕事を続けていきたいですね。
◆渡辺通店(お問い合わせは092・711・0708)など福岡県内に8店舗。。
530円(店舗によって異なる)。
営業時間。
持ち帰り、オンラインショップでの取り寄せ(クール便送料別)は560円。
むらかみ・さちこ 料理研究家、福岡女子大客員教授。1942年生まれ。福岡県出身。
電子レンジを使った料理の本など、著書は500冊を超える。近著に、「村上祥子さんの食べると生きる人生最高のレシピ」(PHP研究所)。