取材で高松の屋島に行くことになったと香川出身の友人に話したら、わら家さんのうどんをぜひ食べてきて、とすすめられたんです。
コシが強いけれど、ツルツルとのどごしもなめらか。そして、だしがおいしい。香川産のいりこや利尻昆布を使っていて、わら家さんのこだわりを感じます。
こちらは、四国の古民家などを移築した野外博物館の一角にあり、散策しながら四国の歴史や文化を知ることができます。食と地域の文化は切り離せないので、歴史や人々の思いをくみとりながら食べると、味わいが一層深まりますね。
2017年に四国遍路を歩いた時にも、遍路道から少し外れてわら家さんに立ち寄りました。四国遍路には「お接待」という文化があり、地元の方がうどんをごちそうしてくださったり、お遍路さん同士や、ひとりで歩く外国の方にうどんをお接待したり、讃岐ならではのお接待に触れました。
「かにかくにうどんは讃岐山笑ふ」。絵本に出てくるようなぽこぽことした讃岐の山が春を迎えていました。名物うどんはいろいろあれど、やっぱり讃岐だなという一句です。
◆高松市屋島中町91(お問い合わせは087・843・3115)。
並540円、大820円。
午前9時半~午後6時(5時半ラストオーダー)。
オンラインストアで生うどん(つゆ付き)が購入可能。
まゆずみ・まどか 俳人。
句集「京都の恋」で山本健吉文学賞受賞。「世界オンライン句会」を主宰。7月31日に10年ぶりとなる新句集「北落師門」(文學の森)を刊行。長年交流を続けてきた福島県飯舘村を詠んだ句などを収録。