チーズの魅力を伝える仕事柄、パスタはお店で食べるより作るほうが多いです。ミルクの甘みが特徴的なリコッタチーズならラビオリ、熟成されたうまみと塩味を備えるペコリーノチーズならカルボナーラかな。「洋」に偏る味覚をリセットしたくなったら、エビ入りワンタン麺を食べに行きます。
10年以上前にワインスクールの講師をしていて、生徒さんから教えて頂きました。通う間に「今日も仕事なの?」なんて店員さんが話しかけてくれるようになって。居心地の良さも気に入っています。
ひとくち目はプリプリのワンタンを味わいます。麺は極細ですが、少しちぢれているので、一見するとあっさりに見えるトンコツスープともよく絡むんです。前半は優しいスープの味にホッとして、後半はお店特製ラー油を加えてピリッとした辛みを楽しみます。香港で食べた麺に似ているので、ランチタイムで旅行に出かけた気になれるんですよね。
意外かもしれませんが夏料理なら冷やし中華とモッツァレラは相性がいいですよ。トマトとキュウリとモッツァレラ。タレが絡むようにさいたら、掛けるのはごまダレでもポン酢でも。うまみを足したければパルミジャーノ・レッジャーノをまぶしてね。
◆東京都港区虎ノ門1の5の4(☎03・5251・6200)。900円(香港麺)、800円(日本麺)。午前11時半~午後3時、5時半~11時(ラストオーダーは10時)。土日祝休み。
むらせ・みゆき 世界のチーズを楽しむスクール「ザ・チーズルーム東京」副校長。2013年フランス開催のチーズ職能者の国際大会で優勝。世界最優秀フロマジェ2013の称号を持つ。