結婚後米国に渡り、大学院に通っていましたが、念願の報道番組をやらないかと声がかかり、夫を置いて即帰国しました(笑)。ここはその番組でご一緒した鳥越俊太郎さんのお気に入りなんです。
また、私の母は無類のあんかけ焼きそば好きで、家でもよくつくるくらい。外食でもよく焼きそばを頼みましたが、麺が太すぎるとか、カリカリでないとか……、不満も多かったようです。そこでここを紹介したら見事にドンピシャ、でした。
カリカリに仕上げた細麺に、目を奪われるほど彩りよく野菜が盛られています。素材の良さを引き出し、シャキシャキとした歯応えを生かすところに仕事の丁寧さがうかがえます。食べ進むうちにあんが麺になじんでしんなりするのも絶品。お酢や辛子は使いません。味変せずに完食してしまいます。
こってりめな食事が好きな母でも、晩年になると食が細くなりましたが、亡くなる1週間くらい前にもここの焼きそばは完食していました。あんなにおいしそうに食べたのは、これだけだったなぁ。
普段は「葱(ねぎ)とチャーシューの細切りつゆそば」と「はるまき」が定番の私ですが、これは母との思い出の味として印象深い一品なんです。
◆東京都港区赤坂1の12の33の3階(問い合わせは03・3505・1185)。
2640円(サービス料別)。
午前11時半~午後2時半((土)(日)(祝)は3時まで)、(月)を除く5時~9時。
無休。
ながの・ともこ ジャーナリスト。
フジテレビのアナウンサーを経てフリーに。報道番組のキャスターや国連UNHCR協会の報道ディレクターを務める傍ら、音声配信サービスAuDeeの「長野智子のテレビなラジオ」に出演中。