4、5年前に知り「これはいいなあ」とファンになりました。細打ちの麺からは意外なほど、濃厚なそばの香りがしますよ。細いけれどちゃんとかみ応えがあるし、でもツルツルッとしたのど越しでバランスがいいというか。珍しいおそばだと思います。
冷たいざるそばで頂くことが多いです。でも、初めて息子たちに出す時は一工夫しました。食べ盛りなのでパンチが欲しいようで。薄切りの豚肉を炒めて、ニンニクのみじん切り、白ネギと合わせて肉そばにしたら「おいしい!」と好評でしたね。
夏から秋にかけての暑い時期に食べたくなります。卯月さんのある寒河江市は父の郷里(東根市)のすぐ近くなんです。子どものころから祖父母を訪ねていましたので、口にすると天気がいい日の山形の風景が思い浮かぶというか。水がきれいで空気の澄んだ、山形に根ざした恵みを感じます。
22年前に家業を継いでから盆栽家として働いています。小さな鉢の中に自然の景色を表現するなかで、幼いころの経験がいきていますね。星空の下、最上川の向こうにきらめく谷地の夜景を眺めたり、葉山や月山など信仰の山々に囲まれたり。山形の田園風景に触れたことは大きな財産になっています。
◆山形県寒河江市中央工業団地164(☎0120・123・035、FAX0120・456・035)。1袋200g、230円。注文は電話またはファクス、オンラインショップから。写真は調理例。
やまだ・かおり 盆栽家。1853年創業の清香園5代目。NHK・Eテレ「趣味の園芸」で司会を務めた。「一盆一樹」の伝統的な手法から離れ、木々に草花を添えて寄せ植えにする「彩花盆栽」を提唱し、女性や若年層に盆栽の裾野を広げている。