近所のお店で見かけて「葛入り」が気になって購入したのがきっかけでした。「葛」を使ったものに弱いんです。葛桜や葛切りとか、半透明でぷるぷるつるん、とした見た目と食感がいとおしくて。葛は体を温めるそうなので、とろみをつける時に、葛粉を使うことも。この麺は国産小麦粉を使っているところもお気に入りです。
つるんとした食感と、しなやかなコシが特徴の麺は、葛のおかげか、時間をおいてものびにくいんです。なので「にゅうめん」に向いているとおもいます。
うちではよく「朝にゅうめん」を食べるんです。ぼんやりしている朝は温かいものをおなかに入れたくて。刻んだネギに梅干し、とろろ昆布でさっぱりと食べるのもおいしいですし、とり団子や、細く刻んだうす揚げをいれると、コクがだしにしみ出てオススメ。細く刻んだうす揚げのことを関西では「きざみ」といって、うどんでおなじみです。
10月に入っても暑い日には、まだまだそうめんも。輪切りのスダチを浮かべたり、果汁をしぼったり。トッピングを替えるだけで、味も見た目も変化が楽しめるのがいいですね。
◆奈良県天理市西長柄町676(問い合わせは0743・67・0129)。
250g540円~、贈答用もあり。
電話注文は平日の午前9時~午後5時。
オンラインでも。
写真は調理例。
おーなり・ゆうこ 絵本作家、漫画家。
「ことばのかたち」「こどもスケッチ」「ひらがな暦」のほか、近著は「ワニのガルド」。北村薫著の本紙夕刊連載小説「ひとがた流し」では挿絵を担当し、9月に朝日新聞出版から文庫版が刊行。