初めて食べたのは2年くらい前かしら。両親が兵庫県出身なので、私には関西風の味付けがお袋の味。甘めに炊いたシイタケと箸でつまむとホロホロ崩れてしまいそうなカボチャが、お出汁を一層やさしい味にするんです。そのお出汁が染みたやわやわなおうどんでほんわか温まる、これがいいんです。
定年後から始めたパソコン通信から派生して、スマートフォンのアプリ開発まで手がけたら、世間の注目を集めてしまって。普通ならご隠居様の年齢ですが、好奇心旺盛で、声がかかれば何でも挑戦してみたいんです。今は政府の「デジタル田園都市国家構想実現会議」の構成員に名を連ね、講演会や執筆、取材対応など……。もう米寿を迎えるのに何をしているんだろう?と自分でも思ってます(笑)。そうした中でも趣味の旅行は欠かしません。昨年訪れたデンマークでは、ロウソクの明かりのもとでコーヒータイムを楽しむ優雅な暮らしをする一方、キャッシュレス決済が生活に浸透していることに驚かされました。
生活のデジタル化が著しく、それを推進する立場ですが、このやさしい味のうどんを食べてほっこりする、そんな感覚をもつのは機械にはまだちょっと無理じゃないかしら。
(聞き手・鈴木麻純)
◆紀ノ国屋インターナショナル(青山店)などのスーパーやオンラインショップなどで販売。
希望小売価格496円(税込み)。
お問い合わせは0120・385・894。
わかみや・まさこ 「世界最高齢プログラマー」と呼ばれた一般社団法人メロウ倶楽部理事。
高校卒業後、定年まで金融機関に勤務。81歳で作ったスマホアプリ「hinadan」が話題に。著書「老いてこそデジタルを。」「独学のススメ」などでシニア世代へのデジタル普及活動を進める。