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村岡恵理さん
「更科堀井麻布十番本店」の
小海老天と二八手打ちもりそば

「更科堀井麻布十番本店」の小海老天と二八手打ちもりそば
「更科堀井麻布十番本店」の小海老天と二八手打ちもりそば
「更科堀井麻布十番本店」の小海老天と二八手打ちもりそば 村岡恵理さん

 私は実は、すごい「そばっ食い」。大学生の時にそば屋巡りをしていたほどです。そばつゆのかつおの香りにそそられて。

 この店を初めて訪れたのは高校生のとき。母校の東洋英和女学院が近く、母と食べた覚えがあります。つゆは濃いめの江戸前で、しょうゆとかつおのバランスが絶妙。麺はコシがあるのにつるっとしたのどごしです。

 最初にぽちゃっと天ぷらをつゆに入れるんです。すると衣の油がちょっと入るじゃないですか。香ばしくなったつゆにそばをくぐらせると、ますますおいしくなります。プリッとした小エビも食べやすくて。夜はつい鴨(かも)焼きもいただきますね。

 翻訳家だった祖母の村岡花子もそばが好きでした。私も本を書く仕事なので、昼はおそばで腹八分目がほどよくて。眠くなりませんから。庶民的な雰囲気の店内は居心地もよく、短時間で満足できるのが好きです。

 

◆東京都港区元麻布3の11の4(TEL03・3403・3401)。
 1740円。
 午前11時半~午後8時半。無休。


 むらおか・えり 作家。
 著書「アンのゆりかご 村岡花子の生涯」がNHK朝ドラ「花子とアン」の原案となった。

(2014年12月2日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)