出会った歴史上の偉人は、教科書で学んだイメージと全く違っていた——。

　７月２６日公開の映画「幕末高校生」（李闘士男監督）で、３人の生徒と一緒に幕末の江戸にタイムスリップしてしまう高校教師、未香子を演じる。

　鮮やかな赤いパンツ姿の衣装で、江戸の町を全力疾走した。「新鮮な体験でした。まさか太秦をハイヒールで走るなんて」。撮影を行った京都・太秦の東映京都撮影所では、「江戸時代のキャストのみなさんには所作指導があったのに、私には一切なし。悠々とやらせてもらいました」と笑う。

　江戸で出会ったのは、「江戸無血開城」の立役者の一人として知られる、勝海舟。「玉木宏さん演じる勝海舟が、これまでのイメージを壊してくれました」。人間味あふれる玉木の勝海舟は「もしかしたら本当にこんな人だったのでは？」と思わせるほど。李監督ならではの明快なストーリーとテンポの良さで、「難しいと思われがちな時代劇も、この映画なら楽しんでもらえると思います」

　生徒たちとの関係に悩みながらも、彼らを守り、また狂い始めた歴史を元に戻すために奮闘する未香子。どう演じるか悩んだ。「初日は緊張しました。でも演じるうちに、少しずつ彼女のキャラクターがわかってきて……」。だからこそ、江戸にタイムスリップしてからの未香子の心の動きがより際立つように、現代のシーンを演じた。

　　映画とは逆に、未来にタイムスリップしてみたくないか、という問いには、「未来は今の蓄積ですから。今頑張ろう、今を楽しもうと思っています」

プロフィール

いしはら・さとみ
１９８６年東京都生まれ。２００３年、「わたしのグランパ」で映画デビュー。ドラマや映画のほか、舞台やＣＭでも活躍。近作に、ドラマ「失恋ショコラティエ」、映画「ＭＯＮＳＴＥＲＺ　モンスターズ」など。