直木賞作家・角田光代のベストセラー小説が原作の映画「紙の月」。夫と平穏な生活を送る主婦の梅澤梨花(宮沢りえ)が、勤め先の銀行で巨額の横領事件を起こす物語だ。その梨花と恋に落ちる大学生・平林光太を演じた。
純粋で少し色気があって、残酷な光太は、梨花の心の変化に影響を与える重要な役どころ。だが、「作品には面白みを感じたけれど、難しい役だったので悩みましたね」。
それでも出演を決めた理由を、「(吉田)大八さんの話を引き受けないわけにはいかないんで」とはにかみながら話した。吉田監督とは昨夏、監督が演出した舞台が出会い。自分のことをよく知る監督が、光太役を投げてくることが「おもしろかった」し、だからこそ演じる意味が見いだせた。
映画は、女優宮沢りえが7年ぶりの主演を務めたことでも注目を集める。共演は初めて。その印象は「作品にあれだけ身を投げられる人を初めて見ました」。現場にいた誰に対しても細やかに気を配る「愛にあふれた人でした」と振り返った。
昨春に大学を卒業して以来、環境がめまぐるしく変わった。今年公開の映画は予定も含めて9本。ドラマや舞台にも出演した。いろいろなオファーが来ても「(仕事の)かけ持ちはしたくない」ときっぱり。「心のキャパが10だとして。かけ持ちをすると5対5とか7対3になってしまうようで。気持ちの調整ができそうにない」と正直な一面ものぞかせる。しかし今年の活躍からすれば、その「調整」と戦う日は近いのかもしれない。来年以降も活動の中心は映画。出演作の公開も続く。
取材・文/塩田麻衣子
撮影/高嶋佳代
プロフィール
いけまつ・そうすけ
1990年福岡県出身。2003年に「ラストサムライ」で映画初出演。近作ではドラマ「MOZU Season2」に出演。来月20日(土)には映画「バンクーバーの朝日」が公開。
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