「アオハライド」は、作者の咲坂伊緒(さきさかいお)が「青春(アオハル)」と「ride(乗る)」を組み合わせて創作した言葉だ。約800万部の発行部数を誇るこの少女漫画の主人公を、本田翼と共に演じた。
物語は、中学生の時に互いに淡い恋心を抱いていた双葉(本田)と洸(こう)(東出)が高2の春、4年ぶりに再会する場面から始まる。以前の明るさが消えて、別人のようになっていた洸に驚く双葉。洸は心に傷を負っていたのだ。
原作を読んで人気の秘密を、絵の美しさだけでなく、人間味あふれる登場人物たちにあると気づいた。洸の魅力は「格好良さだけじゃなく、心の揺れや苦悩も描かれているところ」だと分かった。少女漫画ならではのキザなセリフも多くあると感じたが、原作通りに演じるのではなく、自分なりに役を消化して話すよう心がけた。
自分を「マイペースで頑固」と思ってきたが、三木孝浩監督から「演技や生き方にものすごく真面目。それゆえに不器用」と評価され、驚いたという。「真面目で不器用というのは、頑固という言葉を二つにかみ砕いた言葉だなって」と苦笑いするが、演じた洸とも通じるところがあると思っている。
ロケ地の富山や長崎では、同世代の共演者と食事に行き、夜遅くまで本音で語り合った。2人を取り巻く高校生たちが友情を育んでいく姿も描いている物語同様、高校時代のような楽しい時間だったという。「大人になるにつれて本心を言うことは少なくなるけど、この映画は本心を言う人たちのぶつかり合い。それが爽快です」
取材・文/神谷実里
撮影/篠塚ようこ
プロフィール
ひがしで・まさひろ
1988年埼玉県生まれ。モデルとして活躍後、映画「桐島、部活やめるってよ」、NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」などに出演。来年は大河ドラマ「花燃ゆ」で吉田松陰の弟子、久坂玄瑞(げんずい)を演じる。
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