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花火のイメージ、パッケージから変える 環境にやさしい花火

 自宅や公園で楽しむ花火のセットというと、ピンクやオレンジなど蛍光色の華やかなパッケージで、小袋に入った花火がテープで固定された商品をイメージする人が多いかと思います。そのパッケージを変えた商品を、老舗花火店がつくりました。どんな狙いがあるのでしょうか。

 

 新しい花火セットを販売しているのは、花火業界大手の「若松屋」(愛知県西尾市)です。昨年、環境にやさしい「エコパッケージ花火」の販売を始めました。家庭用の手持ち花火や線香花火のセットです。

 

 ただ、従来の花火セットと違い、パッケージは紙の袋でつくられています。不透明なので中は見えませんが、セットに入っている花火は表面に写真が入っています。サイズもコンパクトにしました。A4サイズのかばんにも入る大きさで、袋をあけると手持ち花火や線香花火が数十本、そのまま入っています。台紙に張りつけるテープや、小袋はありません。

 

 

 環境にやさしい花火セットをつくってみよう――社内でそんな議論が始まったのは、コロナ禍がきっかけだそうです。花火業界もコロナ禍の影響で花火大会が軒並み中止となった事もあり、売り上げが大きく落ち込みました。1937年創業の老舗として、ブランドを問い直すなかで、エコを一つの方向性として打ち出しました。

 

 紙製のパッケージに合わせ、ベースの色は落ち着いたベージュにそろえ、グリーンでECOの文字も添えました。「こんなの売れるの?」。夏場に派手なパッケージで一気に売り出すという慣習がある業界内で、冷ややかな声も販売直後はあがりましたが、昨夏は用意したセットは完売しました。

 

 

「エコパッケージ」は製造側にも「エコ」になっています。小袋に入れて、テープに貼る工程がなくなったことから、製造コストが削減されました。サイズを小さくしたので輸送コストの削減にもつながりました。その分、セットに入れる花火の本数を増やして、購入者に還元しているそうです。

 

 

 さまざまな種類の家庭用花火を販売する若松屋で「エコパッケージ花火」は新たなチャレンジの一つですが、これからも様々な形でチャレンジを続けていきたいと考えているそうです。広報担当の竹内直紀さんは「もっと気軽に家庭で花火を楽しむきっかけにしていただければ」と話しています。

(佐藤直子)