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【離婚のカタチ】(前編)初めての結婚は6年で終止符…LiLiCoさんが語る〝離婚と再婚〟

   

 36歳で離婚を経験し、47歳で再婚した映画コメンテーター・タレントのLiLiCoさん(撮影:大野洋介)

 

スウェーデン人の父と日本人の母を持つLiLiCoさんは、30歳で日本人男性と国際結婚をしました。直感的に結婚を意識した「ビビビ婚」でしたが、36歳でその結婚生活に終止符を打つことに。両親が離婚していたことから、「結婚してもうまくいくとは限らない」とも想定していたと言います。当時、子どもを持つより、仕事を優先したLiLiCoさん。初めての結婚、そして、離婚の前後での心境と環境の変化を伺いました。

 

(この記事は、離婚の悩みを解決するポータルサイト離婚のカタチ からの転載です)
  

日本では「離婚=ネガティブ」な印象がある

――LiLiCoさんはスウェーデンのストックホルムのご出身で、スウェーデン国籍でいらっしゃるそうですね。30歳のときに日本人男性と国際結婚されましたが、結婚に至るまでの経緯やお気持ちを聞かせてください。

 直感で結婚相手を決める“ビビビ婚”という言葉がありますが、まさにそれでした。当時はそこまで仕事が忙しくなく、日々色々な方々と食事に行ったり、ご馳走になったりしている中で元夫と出会いました。初めて会った日に、「私たち結婚するんじゃないかな」と思ったんです。出会いも交際も自然な流れで始まりました。

 

 ただ、、私は「結婚」という制度にこだわりはありませんでした。スウェーデンでは「サンボ(Sambo)」という同棲関係が一般的で、日本でいう事実婚に近い制度です。法律上の婚姻の届け出はしていないけれども 一緒に住み、もし子どもが生まれたら男性は父親として認められます。スウェーデンにいる親友は、アラサー(30歳前後)の子どもが2人いても、一度も結婚したことはありません。

 

 そういった文化の国で生まれ育ったので、18歳で来日してからも好きになった男性がいたら一緒に住んでみよう、といった感覚でした。結婚という制度には興味がなかったのですが、彼のご両親が「結婚」という形にこだわりを持たれていたので、そこは素直に受け入れました。

 

  ――当時、「結婚」というものに対してどのようなイメージを持たれていましたか?

 両親は婚姻の形を取っていましたが離婚しているので、結婚しても必ずしもうまくいくとは限らないのだろうという思いは最初から抱いていました。

 

35年ほど前に来日したとき、離婚にネガティブな印象を持つ人が多いことに驚いたのをよく覚えています。もちろん、離婚はしないに越したことはありませんが、日本では「離婚≒良くないもの」と思われがちなのはなぜでしょうね?

 

36歳のときに離婚しましたが、離婚にまつわるあれこれが、こんなに面倒くさいとは思わなかったです(苦笑)。書類等の手続きはもちろん、私のキャラクターから「(離婚したのは)LiLiCoが悪い」というイメージを持たれたこともあります。

 

でも、私のことを知っているご近所さんからは、「相手のご両親をタクシー乗せているところをよく見たよ」「LiLiCoって本当にいい妻だよね」と声をかけてもらっていました。

 

自分のことを知らない人から何か言われたとしても、「世間」の目を過度に気にせず、私は「私の人生」を生きることを大切にしています。

 

  

離婚も将来のための前向きな決断

――結婚生活は6年で終止符を打たれました。離婚に至るまでの経緯や心情について教えていただけますか?

  結婚して3カ月ほどで、TBSの情報バラエティ番組「王様のブランチ」のレギュラーになりました。お互い仕事の時間帯がバラバラで、一緒に過ごす時間もままならない状況でした。

 
元夫はいい人だと思うのですが、お互いに「違うかな」という気持ちが2年ほどかけて熟成されていきました。そして、浮気などではないのですが、「この人とは一緒にいられないな」と思う事情があり、離婚に至ったという感じです。
 
子どもは好きなので、当初は欲しいと思う気持ちもあったというのが正直な気持ちです。でも、「王様のブランチ」が決まるまでの下積み時代の12年間には、仕事をする中で車中泊をしたり、住む部屋を借りることもできなかったりしたときもありました。そんな中、初めてテレビ局の門をくぐれたのです。なので、何よりも仕事を優先したいと思い、そのころにはもう子どもが欲しいとは思いませんでした。
 

――離婚を考えても、なかなか決断できなかったり、離婚後の相手のことが気になってしまったりという話を耳にすることがあります。

 皆さんも 子どものころから、今日はこっちの友達と遊ぼうといった些細な事柄から、進路や就職などの大きなことまで、さまざま“選択”という経験をしてきているはずですよね。結婚だけでなく「離婚も自分の将来を決める前向きな決断と思ってみてはどうでしょうか

 
夫は離婚したがっているけど、自分はまだ夫を愛しているというような場合は苦しいと思います。でも、完全に夫婦仲が冷めているのに生活を続けるのも、苦しいですよね。「人生の時間は限られているので、大切にしてほしい 。もし、浮気などされた場合で慰謝料をもらったほうが気持ちの整理がつくなら、弁護士に依頼するのも一つの手だと思います。
 
  

家族で話を聞いて、伝え合うのが大事

――振り返られて、離婚して大変だったのはどのような点でしょうか?

 日本では結婚・離婚するにあたっての書類の手続きが多いですよね。役所に届けに行き、銀行口座などの名義変更をするなど、本当に面倒くさいと思いました。あと、個人事業主の夫婦だったので、お金関連での苦労はありました。

 
元夫との間に子どもはいませんでしたが、子どもがいるかいないかで、離婚や離婚後の生活は大きく変わりますよね。でも、仮に私に子どもがいたとしても、やはり離婚していたと思います。それは、両親を見ていて思ったことでもあります。幼少期、親が毎日ケンカをしていたのですが、そんな二人を見るのがつらかったんです。両親の顔色をうかがい、「私が今、何をしたら二人がケンカしなくなるんだろう」と気を遣ってきました。
 
離婚できない理由の一つに、経済力がないケースは少なくないと思います。男性も女性も、仕事ができる心身ならば、働くことは大事です。もし、可能ならば貯金をしましょう。私も貯金をしています。以前に極貧生活をしていたので、お金の大切さは身に染みて知っています。
 
日本では離婚後に実家に戻った場合、「出戻り」と言われることもありますよね。でも、もし両親が健在で、関係性もよいのであれば、実家に戻ることも視野に入れていいと思います。
 
 
 ――離婚後、ご両親との関係はいかがでしたか?

私が40代前半だった2012年に母は他界し、父には事後報告の形で離婚したことを伝えました。スウェーデンに帰国した際にその話をしたのですが、そのときの父の対応が本当に素敵だったと感じています。

 
「離婚したことに対して、話を聞いて慰めてほしいのならいくらでも話は聞きますよ。でも、二度と離婚や元パートナーの名前を出してほしくないのであれば、今後一切話題には出さないから安心して」と父は言いました。私は離婚が自分の中でよい決断だったと思っていたため落ち込んでもいなかったのですが、その気遣いがありがたかったと今でも思っています。
 
実は、両親が離婚した後、母から「お父さんに会ってはいけない」と言われていました。母はいつも父の悪口を言っていたので、「お父さんは嫌な人」という先入観を持っていたんです。でも、40歳を過ぎたころ、母が他界した際に母の葬式で父に久しぶりに会ったとき、「とても素敵な人じゃん!」と驚きました。
 
親が離婚した経験のある人間として、同じ立場にいる子ども側の人にも伝えたいのは、もし両親に会える状況であったら双方の言い分を聞いてほしい、ということ。それぞれの立場でものを言うので、どちらの話にもフィルターがかかっていると思います。それを踏まえてもう片方の親に会ってみると、新たな気づきや発見があるかもしれません。これが家族の面白さでもあるということを、皆さんにわかっていただきたいですね。
 
家族でも夫婦でも恋人でも、日本はコミュニケーション不足が続いていると思います。あうんの呼吸?そんなものはないと思っていい。言わなくてもわかるでしょ、というのもなし! 相手にきちんと言わないと、わからないものなんですから。
 
  
●LiLiCo(リリコ)さんのプロフィール

映画コメンテーター。1970年、スウェーデン・ストックホルム生まれ。18歳で来日し、89年から芸能活動を始める。TBS「王様のブランチ」の映画コメンテーター、J-WAVE「ALL GOOD FRIDAY」のラジオナビゲーターをはじめ、テレビ、雑誌などで幅広く活躍。2024年には国際女性デー表彰式で「HAPPY WOMAN賞」、および外国映画文化の発展に貢献した人に贈られる「淀川長治賞」を受賞した。服やジュエリーのデザイン、プロデュースも手掛けている。プライベートでは2017年、ムード歌謡グループ「純烈」の元メンバー小田井涼平さんと47歳で結婚。

 (記事は2025年2月1日時点の情報に基づいています)

 

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