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ウチキパン@横浜

ホップ種の食パンを守り続けて

店内に立つ打木豊さん(左)と父親で4代目の宏さん(73)。店には最大で約70種のパンが並ぶ
店内に立つ打木豊さん(左)と父親で4代目の宏さん(73)。店には最大で約70種のパンが並ぶ
店内に立つ打木豊さん(左)と父親で4代目の宏さん(73)。店には最大で約70種のパンが並ぶ 焼きたてのイングランドを使い込んだ金属の型から外していく。1斤360円

 横浜・元町商店街の一角、外国人墓地に続く市道沿いにウチキパンがある。

 女性客らでにぎわう店内。飛ぶように売れているのは、山型食パンのイギリスパン「イングランド」だ。1888年の創業当時から同じ製法で作り続けている。もっちりとした生地は、ホップ種のたまものだ。初代の打木彦太郎は、外国人居留地にあったパン屋の英国人オーナーに10年間師事し「秘伝」の製法を継承した。パン作りの主流がイースト菌となった現在でも、5代目豊さん(44)が中心となり、その味を守っている。

 ホップ種は、ホップの花を煮出して一定の温度で発酵させる。完成まで4日。手間ひまがかかるが「久しぶりに食べる人に懐かしんでほしいから、製法は変えちゃいけないと思う」と豊さんは話す。

 豊さんは大学卒業後、港湾事業会社に就職し、機械のメンテナンスに従事した。その経験が店の古い機械の修理や部品作りに役立っている。「古いものを守りつつ、お客様を飽きさせたくない」と月に2種は新商品を生み出している。

(文・写真 西村和美)


 ◆横浜市中区元町1の50(TEL045・641・1161)。午前9時~午後7時。月曜(祝日の場合は火曜)休。元町・中華街駅。

(2017年4月14日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)