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大和屋@日本橋

ふわっとした本枯れのかつお節

江戸時代の情緒が漂う店先。奥に作業場がある
江戸時代の情緒が漂う店先。奥に作業場がある
江戸時代の情緒が漂う店先。奥に作業場がある 30~40種の商品が並ぶ。「ごはんにかけるかつおぶし(血合い抜き)」は10グラム430円~

 東京・日本橋、三越前に店を構えるかつお節専門店。

 江戸末期、新潟出身の初代が、魚河岸のあった日本橋で商いを始めた。2代目のころ、そば屋になったが、4代目は拡大しているそば屋業界をだしで支えたいと、かつお節屋へ転業。5代目は卸売りから小売りへ比重を移した。

 原材料の本節は、鹿児島県指宿、枕崎両市で加工されたものを仕入れ、遠赤外線で深層部まで焼き上げてから削る。「小規模経営の強みを生かし、ここでしかない味を提供していきたい」と6代目の外山(とやま)順一郎さん(39)。

 消費者のかつお節離れを食い止めようと、カビ付けを何回も繰り返す最高品質の本枯れ節を使った「ごはんにかけるかつおぶし」を先代が開発。厚さ0・01ミリの、ふわふわした食感で人気商品になっている。

 日本橋界隈(かいわい)は外国人観光客も訪れる一大商業地に変わった。8年前に経営を引き継いだ外山さんは「日本の伝統食材を通じて、世界中の人々の健康に貢献する」との経営理念をかかげ、さらなる発展をめざす。

(文・写真 陣代雅子)


 ◆東京都中央区日本橋室町1の5の1(TEL03・3241・6551)。午前10時~午後6時。(日)(祝)休み。三越前駅。

(2019年3月22日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)