朝日新聞の夕刊で連載中の<PrintShot>は、紙面やウェブサイトで活躍する写真家たちの近作を紹介し、撮影の一瞬を記してもらう企画です。第4シリーズは篠塚ようこさんの写真で、シリーズのタイトルは『くもあい』。漢字で書くと雲合。そのコラムの第1回です。
夜明け前
眠れない夜。一夜一夜の睡眠が人生の終わりに向かう小さな「死」だとすれば、眠れないというのは、「死」というものへの本能的な恐れなのか。または消されていく「命」への共鳴か。
■アーティストプロフィール
篠塚ようこ Yoko Shinotsuka /フォトグラファー 東京生まれ。日本写真芸術専門学校フォトアート科卒業。 出版社写真部勤務を経てフリーランス。公益社団法人 日本写真家協会会員。 同協会主催、東日本大震災被災者支援チャリティー写真展、出展。 個展「くもあい」プロモ・アルテギャラリーにて開催。 新聞、雑誌、webにてポートレイトを中心に撮影。
■雑記
ファインダーから覗くと世界が違ってみえます。ファインダーの中は私だけの世界に 感じるのです。でももしこの私だけの世界がどなたかの記憶を少しだけ引き出すこ とができたのであれば、どなたかの感情に少しだけ重なることができたのであれ ば、こんなに嬉しいことはありません。くもあいの八葉が溶け出すことを願って。