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刀剣博物館

刀剣博物館

見えない気合を、視覚化する

 国宝、重文を含む刀剣類、刀装具を多数所蔵する刀剣博物館は日本刀文化の普及を目的に、1968年に東京・代々木に開館した。建物の老朽化などに伴い、2017年に両国に移転し、ロゴマークもこの時つくられた。

 デザインを担当した矢萩喜從郎さんの出発点は「見えない気合を視覚化する」。刀剣の鋭い切れ味をマークでどう表現するか。矢萩さんはイメージを凝縮させた結果、刀を振り払い、打ち下ろす際の音に着目した。「漫画でいうなら『シュッ』という擬音語。そんな音が聞こえるような動作です」

 左側の長方形は刀が抜かれる前の静寂。次の瞬間の、目にも留まらぬ速さできらめく刀身、空気を切り裂く音が右側の、三日月のような形で表されている。

 館を運営する日本美術刀剣保存協会は「日本刀の鋭さが表現された曲線と、濃い青紫色が美しい」。現在地は元大名屋敷の一角で、コロナ禍の前は来館者の15%が外国人だった同館。「日本刀だけでなく武家文化を広く発信したい」としている。

 ◆刀剣博物館 東京都墨田区横網1の12の9(問い合わせは03・6284・1000)。午前9時半~午後5時(入館は30分前まで)。原則(月)、展示替え期間、年末年始休み。5月11日まで臨時休館。

(2021年4月27日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)