背にした小倉山 前を流れる大堰川
京都・嵐山の渡月橋近くにある嵯峨嵐山文華館。百人一首が選ばれた小倉山を背にすることから、以前は百人一首やかるたがテーマの博物館だったが、2018年に広く日本画を紹介する美術館にリニューアルした。
ロゴマークを制作したエコノシスデザイン代表の中尾光孝さん(41)は「建築の外観はそのままだったが、イメージを新しくする必要があった」と振り返る。モチーフには小倉山と大堰川(桂川)を選んだ。
山と川、両方の景観を楽しめる立地を表現したいと、山から川へ切れ目なく変化するデザイン。全体の形で嵐山の「A」、山裾のラインで嵯峨の「S」も表している。色のついた部分が7本なのは和歌の五七五七七を意識して。一番下の細い線はシャープな日本画の輪郭を意識した。
百人一首で小倉山が登場する歌といえば藤原忠平の「小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ」。紅葉の名所だが、ロゴはさわやかな青緑色。館のスタッフは「大堰川ってこんな色なんです」と語る。
◆嵯峨嵐山文華館 京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町11(問い合わせは075・882・1111)。午前10時~午後5時(入館は30分前まで)。原則(火)休み。