茶どころの水と光 「綺麗さび」
茶畑が広がる静岡・牧之原台地にあり、茶の歴史や文化を紹介するふじのくに茶の都ミュージアム。2018年にリニューアルオープンした際、県内の高校生~大学院生を対象にシンボルマークを公募した。
23通の応募の中から選ばれたのは、県立浜松工業高校で建築を教える藤井邦光さん(41)の作品だ。当時、教員の研修制度を利用して静岡文化芸術大学大学院で学んでいて、所属研究室の教授がミュージアムのデザインを監修していた縁で応募した。
稜線が白く浮き上がる富士山の手前に、緑の3本線で茶畑を表現した。数本の線を組にした「吹き寄せ」の縦じまは、小堀遠州が提唱した「綺麗さび」を意識。建物の外壁の一部を覆う格子としても採り入れられている。青い線は近くを流れる大井川の豊かな水、だいだい色は茶を育てる日光だ。
「研究室の仲間のおかげで生まれたデザイン」と藤井さん。「ずっと残るものとして責任を感じます」
◆ふじのくに茶の都ミュージアム 静岡県島田市金谷富士見町3053の2(問い合わせは0547・46・5588)。午前9時~午後5時(入館は30分前まで)。(火)((祝)の場合は翌平日)休み。