人が行き交う街角、たくさんの発見を
若者の街・渋谷に2020年2月オープンした東京都渋谷公園通りギャラリーでは、専門的な芸術教育を受けていない人の芸術「アール・ブリュット」を中心に、多様な表現を紹介している。
タイルを組み合わせたようなマークをデザインしたのは和田尚樹さん(31)。よく見ると右の列は気づきや発見を意味する「!」。左は記号化された人の形であり、アルファベットの「i(私)」でもある。
白い線はあみだくじのようにも見える。何にたどり着くか分からない、アートを通じた新たな価値観との出会いを表現した。ディレクション担当の三浦保高さん(47)は「細い道が入り組む渋谷も意識した」という。
芸術でどう多様性を伝えるか、雲をつかむようだったと開館準備を振り返る学芸員の大内郁(かおる)さん(44)は、このマークから「まっすぐの道でなくてもいいのだ」と勇気をもらえたという。ガラス張りのギャラリーには場所柄、ふらっと訪れる人も多い。多くの「!」が生まれる場であることを大内さんは願っている。
◆東京都渋谷公園通りギャラリー 東京都渋谷区神南1の19の8(電話03・5422・3151)。[前]11時~[後]7時。原則[月]、年末年始休み。