高知の観光名所、はりまや橋。訪れてみればがっかりするよと地元の人は謙遜するが、同じ名前でも、はりまや橋停留場は文句なしに見ごたえがある。
四つの路線が平面交差する複雑な軌道は、高知市中心部を縦横に貫く土佐電気鉄道の要だ。「井」の字形の線路に右左折の分岐ポイントが加わり、幾何学模様を織りなす。運転士歴22年目の浜崎伸二さん(52)は「自動車も多いし、信号に合わせてポイントを切り替える操作もあるから慎重になる」と言う。
運転士には大変な停留場だが、「高知の電車とまちを愛する会」の浜田光男(てるお)さん(49)は「ここに来ればたいていの車両を見ることができるんです」と目を輝かせる。1950年代に導入された200形から外国の街を走っていた電車まで車種だけで11種ほど。塗装や広告ラッピングを含めると数え切れないほどだ。
浜田さんらが考案した車両もある。昨年10月から走り始めた「よさこい手づくりホビー電車」だ。地元らしさを打ち出した外装は高校生がデザイン。車内は小学生が作ったジオラマや土佐弁をイメージしたキャラクターで飾られ、ジオラマにお年寄りが見入っていた。展示は時折入れ替えられ、乗客を飽きさせない。
電車のわきをバスやマイカーが走り抜ける。「でもやっぱり、高知のシンボルは電車。街の様子は変わっても電車だけは変わりませんよ」。浜田さんは言い切った。
文 岩本恵美/撮影 渡辺瑞男
土佐電気鉄道は、はりまや橋停留場を中心に、東西南北に延びる後免線、伊野線、桟橋線、駅前線からなる25.3キロ。 ひろめ市場(TEL088・822・5287)は、はりまや橋停留場から二つ隣の大橋通停留場から徒歩約2分。カツオのたたきなど郷土料理が味わえる飲食店のほか、鮮魚店や精肉店、雑貨店など約60の店舗が軒を連ねる。 高知駅前からバスで約30分の県立牧野植物園(TEL882・2601)は、高知出身の植物学者、牧野富太郎ゆかりの植物など約3千種類が園内の四季を彩る。大学生以上700円。 |
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カルシウム入り乳酸菌飲料のリープルは、高知県民ならいちどは飲んだことがあるはず。40年以上にわたって親しまれている「高知限定」のロングセラー商品。コンビニやスーパーなどで買える。200ミリリットル84円~。問い合わせはひまわり乳業(0120・776245)。 |