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盛岡駅(岩手県、IGRいわて銀河鉄道)

通院支えるアテンダント

盛岡駅
揺れる車内を行ったり来たり。アテンダントの大場真寿美さん(58)がお年寄りに声をかける
盛岡駅 地図

 「集合場所」と書かれたのぼりを手にタクシー運転手がホームで出迎える。電車を降りて運転手と一緒に改札へと歩くお年寄りを、女性スタッフが見送った。タクシーで盛岡市内の病院に向かう乗客を案内する「あんしんのリレー」だ。

 東北新幹線の開業に伴い旧JR東北線を第三セクターが引き継いだ生活路線。県都の総合病院へ高度医療を受けに通う高齢者の利用も多い。

 通院のために遠くから通う乗客をサポートしようと「IGR地域医療ライン」を始めたのは2008年のことだ。平日の上下3便、「アテンダント」と呼ばれる専任の女性スタッフが同乗し、乗客の話し相手になったり、体調が急変した場合に対応したりする。2両編成の後ろの1両はすべて優先席だ。

 割安な往復切符もあり、1人で乗る場合は平均24パーセントほど安くなる。妊娠中の村岡牧子さん(30)は定期健診を受けに行く途中。「これからは週に1度の通院が必要になるので、経済的に助かります」と膨らんだおなかに手を当てた。

 アテンダントは6人在籍している。その1人、鹿内(しかない)いつかさん(33)は「マニュアルはなく臨機応変です」。杖をついて電車を待っていた人を車内から見つけると、すばやく近くのドアに駆け寄って乗り込むのを手伝った。

 利用者は1日15人ほど。だが、アテンダントの雇用などに経費がかかり利益は出ない。「三セク鉄道の役割ですから」と広報の斎藤努さん(32)。「アテンダントさんがいて安心」と、今日もホームで利用者が待つ。

 文 中村さやか撮影 上田

 

 IGRいわて銀河鉄道は盛岡駅(盛岡市)と目時駅(青森県三戸町)を結ぶ82キロ。

 宮沢賢治の『注文の多い料理店』を発行した光原社(TEL019・622・2894)へは盛岡駅から徒歩10分。現在は民芸品を販売し、喫茶店を併設する。敷地内の資料室には賢治の直筆原稿などを展示している。

 いわて沼宮内駅周辺では、ご当地グルメいわてまち焼きうどんが味わえる。専用の麺と岩手町産の具材3種以上の使用がルールで、味付けは各店自由。トマトパスタ風のものも。問い合わせはいわてまち焼きうどん連合歓隊・府金さん(090・8924・9732)。

 盛岡駅から車で約7分、釜定(TEL019・622・3911)は、モダンなデザインの南部鉄器を売る店。愛嬌(あいきょう)ある表情で親しまれる盛岡天満宮の狛犬(こまいぬ)をモチーフにしたミニチュアも=写真、3200円。午前9時~午後5時半。(日)休み。

ミニチュア

  

(2013年10月22日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)