「グリーンバード」という言葉を聞いたことがあるだろうか。「きれいな街は、人の心もきれいにする」をコンセプトに、東京・表参道ではじまったゴミ拾いのボランティアだ。この街らしく、楽しくておしゃれ。活動は全国各地に広がっている。
取材・文/小寺美保子
表参道で誕生した活動
東京・表参道で行われているゴミ拾いに参加した。2003年にNPO法人「グリーンバード」がこの地ではじめ、企業や地元の協力も得て今年で11年目を迎える。国内外の各地域で54チームが活動中だ。
朝の9時半、この日集まったのは男女23人。若い人が多い。チームにはそれぞれ地域の特色がある。表参道チームは学生や美容師、近隣の企業や店舗からも参加があり、歌舞伎町チームの活動は夜限定、トリマーがリーダーの駒沢チームはペット連れが多い、といった具合だ。
事前の予約は不要で、出欠も取らない。年齢を問わず一人でも気軽に参加できる。かわいいイラストが入った緑色のユニホームと黄色い軍手、トング、イラスト入りのゴミ袋が用意されていて、おまけにおしゃれ。事務局の茅山顕之さん(30)によると、若い人に関心を持ってもらえるよう「かわいい」「リラックス」を意識しているそうだ。「色んな出会いがあって楽しい。『遊ぶ』みたいな感じ」と3年前から参加する男子大学生。ネットで知ったのがきっかけという人が多かった。
街をきれいにして気分もすっきり
ゴミは、駅前など待ち合わせ場所に特に多い。ペットボトルに缶、おにぎりの包装、たばこの吸い殻も目立つ。JR原宿駅や代々木体育館の前を通り、再び出発点近くまで。約2キロの距離に2時間ほどかかった。ルートや距離は、気候や人数によって時々変えるそうだ。
各自が持ったゴミ袋はほぼいっぱいに。収集場所で集めた缶やペットボトルを分別する。最後はそろって写真撮影。みんないい顔だ。朝のすがすがしい空気の中で掃除をすると気持ちがいい。「今後100チームにしたい」と意気込みを語る茅山さん。終了後、参加者たちは楽しそうにランチの相談を始めた。
NPO法人グリーンバード事務局
|
グリーンバードオフィシャルグッズ
缶バッチ、タオルなどのオリジナルグッズも製作しており、イベント時や希望する参加者に販売している。ロゴのイラストは、アートディレクターの寄藤文平氏のもの。