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両国湯屋江戸遊(東京都墨田区)

のれんくぐってオフ・オン自在

「のれん」は夜はライトアップされ、青海波柄が白っぽく浮き出る。午前10時~翌朝8時半
「のれん」は夜はライトアップされ、青海波柄が白っぽく浮き出る。午前10時~翌朝8時半
「のれん」は夜はライトアップされ、青海波柄が白っぽく浮き出る。午前10時~翌朝8時半 ワークスペース「湯work」。壁面のタイル画、北斎の「赤富士」は浴槽だったころの名残

葛飾北斎が生まれたとされる墨田区亀沢。北斎通りに面して立つ、大きなのれんのような壁の建物は何?

 「両国湯屋江戸遊」はサウナや岩盤浴などを備えた複合温浴施設。のれんを思わせるファサード(正面)は高さ20メートル、白銀色のアルミ板に直径3センチの穴を開けて青海波柄を打ち出してある。

 26年前に開業した施設の増改築にあたり、運営する「東新アクア」は他にはない温浴施設にとコンペを行った。選ばれたのが久保秀朗さん(40)と都島有美さん(40)の事務所だ。

 耐震性の関係上、増築分は隣に別のビルを建てる必要があったが、2棟を一体に見せたい。久保さんは「ファサードをのれんにすれば」とひらめいた。江戸東京博物館に近い施設がテーマとする「江戸」のイメージにも合った。

 江戸小紋にも用いられる柄を施したのは、みずから考案した小紋図案集も出版した北斎を意識してのことだ。風で持ち上がったようにめくれた部分が、客をやさしく呼び込む。「湯屋に吹く風をイメージして、涼しさを感じてもらえたらいい」と都島さん。

 温浴施設であることを示すのは控えめな看板ぐらい。洗練されたたたずまいから「近隣のすみだ北斎美術館と間違えて入ってくる人もいます」と、東新アクアの山本祥貴さん(40)は話す。

 館内には旧大浴場をリノベーションしたワークスペースもつくった。館内着でリラックスしながらパソコンを広げられ、旧サウナブースはリモート会議も可能だ。計画したのはコロナ禍前だったが、テレワークが広がった今、利用が増えている。

(斉藤由夏、写真も)

 DATA

  設計:久保都島建築設計事務所
  階数:地上5階
  用途:温浴施設
  完成:2019年

 《最寄り駅》 両国


建モノがたり

 徒歩6分の&Ryogoku(問い合わせは03・4361・8729)は「10坪デパート」をコンセプトに常時三つの店舗が営業する。バリスタが1杯ずついれるコーヒー(600円~)、手作りの焼き菓子、イタリアンジェラート(シングル400円、ダブル600円)の店内飲食やテイクアウトができる。コーヒー豆やドライフラワー、雑貨などの販売スペースも。午前10時~午後7時。

「両国湯屋江戸遊」公式ページ
https://www.edoyu.com/ryougoku/

(2022年9月20日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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