

日本では紙で作られた箱や容器などのことを「紙器」と呼んでいます。他の国にはあまりない独特の言葉です。当社の拠点がある大阪は、昔から紙器産業が活発で大小さまざまな加工会社があり、産業として根付いています。
とても分業的で、箔押し、折り、断裁専門、打ち抜きなど多様な会社があります。私たちは全国の独自技術を持つ会社をつないで商品を作ってきました。一方で市場環境の変化や、業界再編が進んでいる産業でもあります。そこで紙器の技術や文化を残すために自社ブランドを立ち上げ、小売向け商品を作ることで地場産業の誇りの回復や技術継承に寄与したいと考えました。それが2017年に立ち上げたブランド「大成紙器製作所」です。「紙器具」は、紙器の技術でできた紙の道具という意味で名付けました。

紙には、手紙や印刷物などの情報を「伝える」、箱や収納でモノを「収める」、障子やランプシェードのように空間を「設える」といった役割があります。「伝える・収める・設える」は開発の軸でもあり、このZIGZAG BOXは「収める」と「設える」を兼ねています。
折りの構造による陰影の美しさを綺麗な形にしたいという発想から生まれました。空間のアクセントになり、ほかの素材と馴染みやすくインテリアに調和します。お菓子やスリッパ、ぬいぐるみ、冬場のマフラーなど、頻度は高いが出しっぱなしにしたくないものの一時置きに向いています。ヨーロッパではオフィスの紙ごみ用のゴミ箱としても素直に受け入れられていますね。
当社(TAISEI)は、創業1919年で、100年以上にわたり、パッケージや紙加工品の製造をしてきました。パッケージは商品ごとに、形や強度、用いる加工も変わるため、個別のニーズに毎回応えていかなければなりません。そうした様々なネットワークやノウハウが蓄積されて商品化されたひとつが、ZIGZAG BOXです。

パリで年2回ある「メゾン・エ・オブジェ」という、インテリアやデザイン製品の最高峰の見本市の一つです。今年1月に参加したのが4回目となりました。
毎回キュレーターが時代性やデザインの新規性などの観点から選定する特集展示があります。私たちの紙器具はこれまでに3回選出され、ZIGZAGBOXは今年1月に選ばれました。
来場者からは、色の組み合わせや構造の美しさが評価され、紙なのに強度があるという驚きも多くありました。パーツが3つしかない組み立てキットで、重さは約240グラム。輸送がコンパクトな点も好評でした。バイヤーの目にも留まり、パリの有名な人気文房具店「パピエ・ティグル」でもよく売れています。ヨーロッパは、私たちの世界観が刺さりやすい面があると感じています。
パリにあるコンセプトストア「メルシー」は、それはもう世界中にファンがいるお店。そこのオーナーに私たちのノートをすごく気に入っていただいて、実際に2カ月使った後、メルシーのロゴを入れコラボレーション商品として販売されました。
こうした実績は日本での信頼にもつながっていきます。国内との両輪で、これからも紙器の技術を使い、「伝える・収める・設える」を領域横断してやっていきたいと思います。

