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本年度ゴールデングローブ賞で、作品賞(ドラマ部門)&監督賞【サム・メンデス】の主要2部門を受賞、先日発表されたアカデミー賞にも10部門でノミネートされ、英国アカデミー賞では作品賞を含む最多7冠を獲得するなど、世界の映画賞を席捲中の話題作『1917 命をかけた伝令』。全編ワンカット映像で展開する本作の一部始終が体感できる約3分半の長尺ワンカット映像が到着した。
解禁されたのは、とあるフランスの農家に辿り着いたスコフィールドとブレイクが、建物内とその周りを散策する一連の様子が映し出された本編映像。ひどく荒らされた形跡の残る部屋を目の当たりにして「嫌な感じがする」と呟くスコフィールド。その空間から逃げるように建物の外へと出ると、家畜小屋の傍には呑気に草を食べる牛と、搾りたての牛乳がバケツに残され、つい先ほどまで家主が穏やかに暮らしていたことを感じさせる。そんな中、上空に2機の友軍機と、1機の敵機が現れ、交戦に敗れた敵機が、2人の目の前に墜落!燃え盛る機体から反射的に敵の兵士を助け出した2人だが、数々の戦場を経験したスコフィールドの「楽にしてやろう」という提案に対し、年も若く心優しいブレイクは「水を持ってこい」と、敵兵を助ける判断を下す。敵兵の運命はいかに!?そして2人はそんな事態を乗り越え、明朝までにミッションを全うすることができるのか!?ワンカット映像であることをすっかり忘れ、気付けば物語に没頭してしまう驚愕の3分半が切り取られている。
本作で全編ワンカット映像を完成させ、今年度のアカデミー賞撮影賞で本命との呼び声も高い撮影監督のロジャー・ディーキンスは、「引き画を入れるか、どうカメラを動かせば周囲を見渡せるか、その瞬間を強く映せるか、ワンショット撮影というのはそのバランスが肝だった。ただ2人を背後から追うだけの映像にはしたくなかった。物語を描写する方法を模索したよ」とその苦労を振り返る。解禁された映像でもわかるように追求されたワンカットのカメラワークは、観客を映画の世界へ誘うための方法として見事に作用しており、ロジャーは「観客にはワンカットの映像に気を取られずに作品を観てほしい。観客がストーリーに没頭して登場人物と一緒に体験するために作った映像だ。観客が撮影技術に気を取られるようではある意味失敗だ」とコメントを寄せている。英国アカデミー賞で監督賞を受賞し、アカデミー賞にも期待がかかるサム・メンデス監督は「映画は体験だ。言葉ではなく感情で観客を夢中にさせるものだ。だから私は使える映画技術をすべて使って、観客を戦争の真ん中に連れて行った。かつてない没入感だ」と劇中の物語に没頭することに注力した映像の仕上がりに自信を覗かせており、「観客にはカメラを忘れて、彼らの感情的な決断に共感してほしい。兵士たちが何を体験し、戦争で人間に何が起こるのか、我々が作ったのは体験そのものなんだ」とワンカット映像で映し出される驚異の映像体験に込めた想いを明かしている。
静かな空気が飛行機の墜落で一変していく一連の流れが詰まったロジャーによる圧巻のワンカット映像とともに、少しの会話やしぐさ、雰囲気、その場所におかれた環境から、キャラクターの個性や物語を語るサム・メンデス特有の詩的な描写も映し出され、命がけの伝令の一部始終をしかと体験することができる本映像。ロジャー・ディーキンスによる圧巻の撮影技術はもちろんだが、サム・メンデス監督の熱いこだわりによって完成した映像体験を通して映し出される若き兵士たちの勇敢な挑戦に是非ともご注目いただきたい。
『1917 命をかけた伝令』ワンカットを体感せよ!3分半超えの本編映像
2月14日(金)、全国ロードショー