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第75回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門に出品し高評価を獲得、第91回アカデミー賞®外国語映画賞にもノミネート!
長編初監督作『善き人のためのソナタ』でアカデミー賞®外国語映画賞を受賞したフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督が、現代美術界の巨匠であり、ときにオークションで数十億円の価格がつくアーティスト、ゲルハルト・リヒターの半生をモデルに祖国ドイツの“歴史の闇”と“芸術の光”に迫った『ある画家の数奇な運命』より、芸術家を目指すクルトが通う芸術アカデミーの授業で、教授が炎で絵画を焼き尽くすパフォーマンスアートシーンを切り取った本編映像が解禁された。
1961年、ベルリンの壁が築かれる直前。社会主義リアリズムを重視する東ドイツの芸術政策に疑問を感じたクルト(トム・シリング)は、妻・エリー(ザスキア・ローゼンタール)と共に、モダンアートが旋風を巻き起こしていた西ドイツへと渡る。その後ドイツアート界の伝説的存在であるフェルデン教授(オリヴァー・マスッチ)が教鞭をとるデュッセルドルフ芸術アカデミーへの入学を許可されたクルトは、自分にとっての芸術の「真実」は何かを模索しながら創作する日々を送っていた。そんな中出席したフェルデン教授の講義。
教室に入ってきた教授は、ドイツ2大政党が描かれた2枚のカンバスを前に「どちらを選ぶ?」と学生たちに突然問いかけるが、素直に答えていく学生たちに対して彼は一言、「選ぶな」「政党はダメだ、芸術を選べ」といい放つ。
その後「外からの影響を受けずに個々の力を伸ばせ」「諸君が自由でないと誰も自由にはなれない」・・・
ひたすら“自ら選ぶ自由”の必要性を訴え、最後、カンバスに火をつけた後、燃え盛る炎の前で学生を挑発するように悠然と見つめる。。このフェルデン教授の様子は、第二次世界大戦後、数々のパフォーマンスアートで名を馳せ、美術館を飛び出して芸術の革命と自由を叫んだ20世紀を代表する芸術家ヨーゼフ・ボイスへの監督からのオマージュを思わせる象徴的なシーンとなっている。
■『ある画家の数奇な運命』本編映像
10/2(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー