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『舟を編む』で日本アカデミー賞監督賞を最年少で受賞、『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』でアジア・フィルム・アワード、アジア最優秀監督賞を受賞し、その他にも『町田くんの世界』『生きちゃった』など数々の名作を発表し続けている石井裕也監督の最新作『アジアの天使』。95%以上のキャスト、スタッフが韓国チームであり、ロケ地はすべて韓国という意欲作であり、現在開催中の第16回大阪アジアン映画祭のクロージング作品として3月14日にワールドプレミア上映される。そんな本作が7月2日(金)より劇場公開されることが決定、ティザービジュアルと場面写真が解禁された。
本作のキャストには石井監督と数々の作品でタッグを組んできた池松壮亮が主演で参加、ふたりは韓国初進出となる。そして池松の兄役には韓国でも絶大なる人気を誇るオダギリジョー。日本映画を牽引する、ふたりの本格的な競演は本作が初となる。韓国映画界からはヒロインとして『金子文子と朴烈』(17/イ・ジュンイク監督)で長編映画初主演を務め、2017年~18年の多数の映画賞受賞。2018年、第23回 釜山国際映画祭でも俳優賞を受賞している実力派女優、チェ・ヒソが参加。
「元々異国の地で映画を作ることに興味はあった。自分の経験値や感覚が通用しなくなった時に果たしてどんな新しい発見があるか、そのことに大いに興味があったからだ。それに、映画とは本来途方もなく自由なもののはずで、狭い世界など軽々と飛び越えていけるもののはずだ。そういう映画の可能性に期待もしていた。」と語る石井裕也監督は、2014年の釜山国際映画祭に審査員として参加したときに出会った、韓国のパク・ジョンボム監督と意気投合し、それ以来韓国という国が自分にとって「外国のひとつ」ではなく、「とても大切な友達が住んでいる国」に変わったという。「そのときに、映画を撮れると確信した。韓国という国の全容はもちろん外国人である僕には分からないが、友達の心の痛みを想像することができるなら映画も撮れると、直感的に思った。」と語っている。
本作の撮影中に新型コロナウィルスが世界に蔓延し始めるという危機に遭遇しながらも、2021年の今、韓国と日本の現在のリアルな姿を描きながら、映画という自由な可能性に真っ向から挑んだ意欲作が誕生。それぞれが心に傷を持つ、日本と韓国の家族がソウルで出会い、新しい家族の形を模索する人間ドラマ。優しさと力強さが調和した石井裕也監督の新境地であり、誰も見たことのない「アジアの家族映画」がいよいよ日本公開となる。
釜山国際映画祭主催<アンニョン>プロジェクト
池松壮亮×チェ・ヒソ×オダギリジョー オンライントーク実施!
【釜山国際映画祭(BIFF)が主催した<アンニョンプロジェクト>とは】
アンニョン=(韓国語では“こんにちは”の他に安否を問う意味がある)
新型コロナウイルスの影響で、各国の映画産業が大きな影響を受けています。映画の制作中止や撮影延期、公開延期などが続く中、 この時代を共に過ごしている他国の映画人が元気に過ごしているか安否を確認し合うコンセプトで、オンラインで同時代を生きる映画人同士がつながり、お互いの悩み事や日常生活の変化について気軽に話してみようという趣旨の企画です。今年の1月に実施した『アジアの天使』で共演した池松壮亮、チェ・ヒソ、オダギリジョー、3人のオンライントークは、釜山国際映画祭の公式Youtubeにて閲覧可能。
<池松壮亮コメント>
日本と韓国のスタッフが一緒に映画を撮るにあたり、韓国の皆さんは本当に温かく僕たちを迎えてくれて、日韓の関係性がこの映画でより良い作用が生まれればと思います。そして、世界中の人たちが家族と会えなかったり、心の距離も離れてしまった今こそ、この映画を公開できることの意味がすごくあるのではと思っています。
<オダギリジョーコメント>
この映画はいくつもの困難を越えて完成しました。石井監督はいつも、何かに挑戦し、闘う姿勢を崩しませんが、今回はいつも以上に苦しんだのではないかと思います。世の中の困難を乗り越えた向こうに、朝日なのか夕日なのか、希望の光のような映画を観たいと思いませんか?
<チェ・ヒソコメント>
石井監督は「この映画には国籍がない」と言っていました。この映画は国境を越えて痛みを共有する2つの家族の物語です。そして今、私たちはコロナの苦痛を共有していますので、すべての人にとってタイムリーな家族の映画になると思います。
7月2日(金)テアトル新宿ほか全国公開