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石井裕也監督最新作となる映画『茜色に焼かれる』より、予告映像とイメージビジュアルが到着した。
この世界には、誰のためにあるのかわからないルールと、悪い冗談みたいなことばかりがあふれている。誰もが自身を偽り、まるで仮面の生活を強いられているかのように。そんな、まさに弱者ほど生きにくいこの時代に翻弄されている一組の母子がいた。哀しみと怒りを心に秘めながらも、わが子への溢れんばかりの愛を抱えて気丈に振る舞う母。その母を気遣って日々の屈辱を耐え過ごす中学生の息子。果たして、彼女たちが最後の最後まで絶対に手放さなかったものとは?
もがきながらも懸命に生きようとするその勇気と美しさに、きっと誰もが心を揺さぶられ涙する。社会のゆがみがいよいよ表面化している現代なればこそ生まれ得た、激しくも深い魂の軌跡。これは、あなた自身の現実、今日を生きる私たち自身の物語。
解禁となった予告映像は尾野真千子が「田中良子です」と力強く名乗るシーンから始まる。倒産したカフェの営業再開を目指しつつも、新たなパート先でのきつい仕事や義父の介護など、様々な問題が押し寄せてくる。家計簿をみた同僚のケイには「こんな真っ赤でどうして平気でいられるんですか?」と尋ねられ、ギリギリの生活に追われている良子の姿を映し出す。永瀬正敏演じる店長から「取り返しつかないほどボロボロなのに、なんで生きようとするのよ?」と問われた良子。もがきながらも懸命に生きてきた良子は、遂に心にためた本音を吐き出す―「そんなのわかりませんよって話でしょ!」。息子の純平もケイも、時に泣きながら必死に日々を過ごす中で、良子が遂に爆発する。
果たして、彼女の心に最後まで燃え続けるものとはー。
傷つきながらも、信念を貫き、たくましく生きる良子の姿を通して、今日を生きる私たちに、希望と勇気がもらえる作品であることを予感させる予告映像となった。
■『茜色に焼かれる』予告映像
5月21日(金)、TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開