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地中海に浮かぶイビサ島のDJ ジョン・サ・トリンサ。息をのむような島の映像とバレリアックな音楽にのせて贈る音楽ドキュメンタリー『太陽と踊らせて』より、予告編が解禁された。
バレアリック・ミュージックとはイビザで生まれたどんな音楽ジャンルにも限定されないジャンルレスのDJスタイル。スペインの東、地中海に浮かぶ世界遺産イビサ島は、世界一のパーティアイランド。夏場はヨーロッパの有名ナイトクラブが店を開け、世界中からスターDJが集まる。しかし、イギリスから移住したDJジョン・サ・トリンサは、島の最南端サリナスビーチで25年間、パーティー・サウンドとは異なる音楽を紡いでいる。
解禁された予告編には、まず美しいイビサ島の景観が俯瞰の映像で映し出される。同時に、煽情的な色彩のネオン、そしてクラブビートにあわせて人々が踊り狂う姿が捉えられ、昼とは全く違う顔をもつ夜のイビサの姿が、「放蕩の終着点」という説明と共に紹介される。
しかし、この映画の主題はそこではない。そんな放蕩さをもった島の最南端サリナスビーチ小さなビーチで、ひとり黙々と正午から夕日が沈むまでパーティー・サウンドとは異なる音楽をDJし続ける男、それがジョン・サ・トリンサだ。
■『太陽と踊らせて』予告編
「一日9時間も回していることもある。ばかげているだろう(笑)」とジョンは語る。予告編では、島の住民、旅行者たちの様々な証言が聞けるが、ジョンが島の人々や旅行者に愛されている様子が、その映像でみてとれる。そしてジョンは言う「音楽は人々を恋に落とすことができる」と。
本作の監督を務めたのは、台南生まれ新宿歌舞伎町育ちのリリー・リナエ。日本の社会に少し息苦しさを感じていたとき、旅で出会ったジョンの誠実で自由な生き方、イビサの包み込むような風土、そして、その色彩にあふれた音楽に魅了され映画制作を決意。全力を尽くして完成させた初めての長編ドキュメンタリーが完成した。
ジャンルレスで物語にあふれたバレアリック・ミュージック。その音楽は、あまりにも自由で垣根のない生き方をする彼の精神そのものだ。映画は、そんな風のような伝説的おじさんDJの生きざまを、島に息づく多彩な、しかし時代の波の中で変容もする文化とともに、息をのむような映像とバレリアックな音楽にのせて描き出す。
アップリンク吉祥寺では公開2週間前から映画館内のギャラリーで、リナエ監督が撮影したものを含むイビサの写真パネルを展示予定。
7月24日(土)より新宿 K ’s cinema、アップリンク吉祥寺 ほか全国順次公開