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昨年社会現象を巻き起こした4コマ漫画「100日後に死ぬワニ」(著:きくちゆうき)をアニメーション映画化した『100日間⽣きたワニ』の7月9日(金)の公開に先駆け、主人公のワニを演じた神木隆之介、親友モグラ役の木村昴、モグラと共にリサイクル屋でアルバイトをしているイヌ役のファーストサマーウイカ、そして監督・脚本を共同で務めた上田慎⼀郎監督、ふくだみゆき監督がヒット祈願イベントに登壇した。
登壇者が一言ずつ挨拶をしイベントが始まろうとしたところ、突如ワニの親友ネズミ役を演じた中村倫也がVTRでスクリーンに登場。生中継かと思いきや「行きたかったけど色々と都合がつかなくて。。はい、そうなんです。」と噛み合わない様子。そして「ちょっと電波が悪くなったので…カット!」と映像が途切れ、登壇者から「急に出たな~」「こういう感じなんですね」「(司会の)荘口さん全部VTR観てるでしょ」と次々にツッコミが。和気藹々とした和やかなスタートとなった。
完成した映画の手応えを聞かれた監督は、「我が子なので信じてはいるんですが、実際に声が届くまでドキドキでした」(上田)「私たち自身も初めての体制、作り方も独特だったので楽しくもあり大変でもありました。いつ完成したか言えないくらいギリギリまで粘りました」(ふくだ)とコメント。これに対しウイカより「1番大変だった事は?」と聞かれ、上田監督は「声を録った後に”間”を再調整するという⼀般的なアニメではあり得ないことをした」と制作秘話を明かした。
話題は原作「100日後に死ぬワニ」の話に。「TVの特集などで知って、途中から気になって追いかけていました」(神木)、「途中から読んでいたんですが、Twitterトレンド大賞の司会をしていた時に、その年最もリツイートされたのが「100日後に死ぬワニ」の最終回だったというのを知って、1話から読み始めました(木村)、「結構早い段階で読み始めました」(ウイカ)とそれぞれ原作のファンであった事を話し、上田監督が、「2日目から読み初めて30日目から企画書を書いた。最初は人間に置き換えて実写化しようと思って企画書を出した」というエピソードを語るとキャスト陣は驚きの反応を見せた。
また、完成した作品について、神木は「4コマのキャラクターたちが動いてる姿が可愛くて愛おしかったです。その中に込められているメッセージがすごく刺さりました。終わった後にすぐに感想が出てこなかった」とコメント。神木は⼀緒に試写を観ていた木村が涙を滲ませていたと指摘。共演者との試写で強がって涙を堪えていたという木村は。「語弊を恐れずに言うと、できれば1人で観たかったです。1人で観てたら終わった後トイレで爆泣きしていた」と明かした。山田裕貴演じる映画オリジナルキャラクターのカエルに「くらった」というウイカは、「身に覚えがあるような。あ~わかる~という共感する部分があって、まさかこんなやられかたをするとは思わなかった。一見ほのぼのストーリーに見えるが全然そんな事なくて、すごく鈍い感じでエグられました」とコメントし、笑いをさそった。そしてまたVTRで登場した中村も、「すごく身近な気分になりました。思ったよりもグッと来る瞬間が多かったです。エンディングの最後まで色んな想いが続く作品になってるんじゃないかな」とモニター越しにコメントを寄せた。
そしてアフレコについて話題が移ると、「倫くん(中村)と昴くん(木村)と⼀緒の楽しい現場で幼馴染感を出せました」と収録を振り返った神木。1日目は神木演じるワニがいるシーン、2日目はワニがいなくなった後のシーンを収録したという木村は、「アフレコスタジオもワニが居なくなった切ない空気があった」とコメント。ウイカは「(木村が)もう既に録り終わったところも⼀緒にもう⼀度やってくれて、木村さんがコーチングしてくれました」と収録エピソードを明かした。
イベント中盤ではLINE LIVEで生中継を見ている視聴者から質問も募集。選ばれた「キャスティングの理由は︖ 」という質問を聞かれた上田監督、ふくだ監督は、ワニ役の神木を「ピュアさ。失った時の喪失感。ザ主人公という感じ」、ネズミ役の中村を「ニュートラルでフラットな印象。神木さんと実際に仲が良い人にやってもらいたかった」、モグラ役の木村を「華のある声質で3人のバランスを考えると良かった。いい意味で3枚目」、センパイ役の新木を「親しみやすさと高嶺の花感が同時にあって初恋のお姉さんというイメージ」、イヌ役のウイカを「合コンとか飲み会にいて欲しい。いい意味でおせっかいで姉御肌」、カエル役の山田を「普段はクールなイメージだけど、バラエティに出演してちょっと空回ってる感じを見てカエルじゃん!と思った」など次々にキャスト陣の印象やキャスティング理由が飛び出し盛り上がった。
また、「幼馴染役を演じたみなさんは元々お知り合いででしたか?」という質問では、神木と木村の16年来の繋がりが明らかに。当時小6だった神木は木村(当時中3)と映画「ドラえもん」で共演していて、唯⼀歳が近かったことから「隆ちゃん」「昴くん」と現場で呼び合う間柄だったという。しかし16年ぶりの対面という事もあり、アフレコ時に緊張して神木の楽屋を訪れたという木村は、「ういっす、昴くん久しぶりー︕」という神木の当時のテンションと全く変わらない神木のコミュニケーション力に驚いた事を明かした。それに対して木村が当時のテンションで来てくれるのかと思っていたという神木は、「あ、神木さん。お久しぶりです。よろしくお願いします」と木村のよそよそしい挨拶を真似して会場を沸かせた。木村曰く、その後「16年という時間は隆ちゃんの⼀言で⼀瞬でアップデートした」という。
そしてイベント終盤では茨城県の吉田神社と中継を繋いで”オンラインヒット祈願”を実施。無事に祈願を終えイベント終了の雰囲気が漂ったところでバースデー音楽と共にワニたちのキャラクターが装飾された「100ワニ」バースデーケーキが登場し、今月9日に31歳の誕生日を迎える木村昴をサプライズでお祝い。木村は「嬉しー︕光栄でございます。ちょっとほんとにビックリしちゃった。この皆さんと迎えられて嬉しい。公開日までこのハッピーパワーを持続させ、観てくれた皆さんが今の僕と同じくらいハッピーになれるように努めていきたい。⽣まれてきて良かったです!」と喜びを語った。
最後に中村も再びVTRで登場し、「木村昴さんの声の表現、僕も欲しいと思っています」と木村を持ち上げる締めの⼀言。ウイカ、木村、神木も、それぞれ「今日のイベントと同じようにほのぼのとした和やかな世界観もありますし、日常の忘れてしまった気持ちを思い出させてくれる映画でもあります。原作ファンの方もまた違った気持ちで楽しんで頂けると思います」(ウイカ)、「声優をやってる自分から言えることは、本作はアニメーション映画ですが、声のお芝居や吹き込まれているものは実写のそれと同じだと思います。アニメーション映画として見ると実写映画の感覚を受けますし、実写映画だと思って観に来ても良いと思います」(木村)、「『当たり前な事って当たり前じゃないんだよ』って言葉にすると実感がないですよね。でもこの映画は改めてその言葉を『確かにな』と思わせてくれる映画だったので、この映画を観て、今居る人だったり些細な日常を愛おしく過ごせたよって言ってくれる人がいたら嬉しいなと思ってます」(神木)とコメント。
ふくだ監督と上田監督は、「この映画は世界を救う様な派⼿な映画じゃないんですが、きっと誰かの世界を救う映画になってると思います。ワニくんの世界とみなさんの世界はきっとどこかで繋がってると思います。ぜひご家族やお友達と観て色んな感想を言い合って頂きたいです」(ふくだ)、「この映画は僕らが多くを語らないようにしている映画です。皆さんが語ってくれて初めて完成するので、ぜひ映画を観てみなさんに語っていただきたいと思います」(上田)とメッセージを送りイベントを締めくくった。
2021年7月9日(金)より全国公開。