首都圏周辺のご当地キャラクターを紹介する「ご当地キャラ大集合」。第1回は千葉県佐倉市の「カムロちゃん」です。
カムロちゃんは佐倉の歴史から生まれたご当地キャラです。おかっぱ頭がトレードマークですが、こう見えても400歳。江戸時代、佐倉城内の下屋敷書院にあった杉の板戸に描かれた絵から抜け出して遊ぶ伝承上の妖かしをモチーフにしています。佐倉藩は、譜代大名の土井利勝が築いた佐倉城を中心に城下町が栄えました。江戸時代中期以降はおおむね11万石ありました。幕府の老中職につく譜代大名を多く輩出し、幕末には日本を開国へ導いた老中の堀田正睦(まさよし)も佐倉藩の藩主でした。市内には佐倉城址(じょうし)公園や武家屋敷などが残り、江戸情緒をいまに伝えています。
土井利勝が藩主となった1610年から400年となる2010年を前に、市は「歴史のまち」のイメージを重視したキャラクターづくりの検討を始めました。市内の漫画家、誰(すい)かさんの協力で、佐倉藩士の渡辺善右衛門が江戸時代の佐倉城下の自然や風俗などを記録した「古今佐倉真佐子(ここんさくらまさご)」に登場する妖かしのかむろをもとにしたご当地キャラを考案しました。10年1月、市広報紙「こうほう佐倉」に掲載を始めた四コマ漫画「ふりむけばカムロちゃん」でデビュー。同年4月「佐倉・城下町400年記念事業」のイメージキャラクターになりました。11年2月には、ツイッターアカウント(@kamurochan)を開設。11月の「時代まつり」では「大妖術・三次元で絵から飛び出し」(市広報課)ファンの前に登場しました。
18年3月まで市内各地で催された「佐倉・城下町400年記念事業」が幕を閉じてからも「佐倉おもてなしキャラクター」として、歴史や文化など城下町・佐倉の魅力を発信しています。
同年2月には、栃木県栃木市のご当地キャラ「とち介」、水戸市の「みとちゃん」と和をテーマにしたマスコットサークル「きゃわ和」を結成。のちに山形県新庄市の「かむてん」、福井市の「朝倉ゆめまる」も加わり、各地のイベントに参加して一緒に地元をPRしています。
カムロちゃんからメッセージをいただきました。
「佐倉は、千葉県で唯一の日本100名城、わちも棲(す)んでいた佐倉城の城下町ぢゃ。いつ来ても魅力い~っぱいの佐倉に、ぜひ遊びに来ての♪」
佐倉はもちろん各地のイベントに行けば、絵から現実の世界へ抜け出したカムロちゃんがあなたをおもてなししてくれるかもしれませんよ。
(大野紗弥佳)
佐倉市 データ ・1954年3月31日、6町村が合併し誕生 ・市ゆかりの著名人 |