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<中> フォークソング・グループサウンズ編

昭和歌謡の中古レコードなどが多数そろう「ディスクユニオン昭和歌謡館」の杉本博士店長とは顔なじみ=東京都新宿区、石渡伸治撮影
昭和歌謡の中古レコードなどが多数そろう「ディスクユニオン昭和歌謡館」の杉本博士店長とは顔なじみ=東京都新宿区、石渡伸治撮影
昭和歌謡の中古レコードなどが多数そろう「ディスクユニオン昭和歌謡館」の杉本博士店長とは顔なじみ=東京都新宿区、石渡伸治撮影 朝日マリオン・コム会員向けのプレゼント用色紙にサインするタブレット純さん=東京都新宿区、石渡伸治撮影 リサイタルでバンドを背に歌うタブレット純さん=2018年10月8日、東京都中央区銀座8丁目の博品館劇場、トップ・カラー提供

 歌手でお笑い芸人のタブレット純さんが、自身のエピソードを交えながら昭和歌謡の魅力を紹介します。(撮影協力:ディスクユニオン昭和歌謡館)

 ではフォークソング。フォークはラジオより、カセットテープがきっかけです。ラジオによって「自分の生まれる前の音楽がいい」と、さかのぼって好きな曲を探しているような状況があった。その頃、母の兄がうちに置いていったカセットテープのなかに森田公一とトップギャランがあって、代表曲の「青春時代」はノリの良い曲でした。その「青春時代」の次に入っていたのが「下宿屋」。これが「4畳半フォーク的」な歌で、一番琴線に触れました。

 「♪しけた煙草をまわしのみ/欠けた茶わんで酒を飲み/金も無いのに楽しくて/いつも誰かに惚れていた」という、お金がなくても夢があった若者を象徴する歌詞。ムード歌謡は背伸びをした遠い世界のことのようだったけれど、フォークソングが歌う大人へのあこがれは、自分に近かった。

 もっと手近な、親元から離れて一人暮らしをしてみたいみたいな、思春期の男の子が抱くあこがれだったんじゃないかな。僕はあこがれているうちに44歳になっても、フォークソングの歌詞のような生活になってしまった。結局、子どもの頃に夢を抱いていた世界が高じて、こじらせて、普通の状態になってしまいました。

 ちょうど同じ時期にカセットテープで小椋佳の曲があって。この2人のフォーク系のアーティストにすごくはまった。歌詞の内容は「気づいたら青春が終わっていた」「もう1回、若さを取り戻したい」みたいな。大まかに言えば同じ世界観ですね。ちなみに小椋佳は「しおさいの詩」がカセットテープの1曲目に入っていて、「♪消えた僕の/若い力/呼んでみたい」って歌詞で。まだ本格的な思春期にさしかかってもいない小学生の頃、訳もわからず聞いていたけど、潜在意識の中では分かっていたのかもしれない。自分の将来像の歌、「こうして生きていくんじゃないか」みたいな。

 

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(2018年11月21日掲載。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は更新時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)