首都圏周辺のご当地キャラクターを紹介する「ご当地キャラ大集合」。第4回は茨城県つくば市の「フックン船長」です。今回は夏休み特別編として、佐賀、福井、長野、東京、宮城にある科学館・恐竜博物館などのキャラも後半で紹介しています。
フックン船長は、宇宙飛行士型ふくろうロボット。市の鳥フクロウと、ロボットや宇宙分野の研究開発をはじめとする科学の街つくばをイメージしています。1963年9月、国家的プロジェクト、筑波研究学園都市の建設が閣議了解されてから50年が経ったことを記念し、2014年2月8日に誕生しました。
筑波研究学園都市は、国の研究機関などを計画的に移転することで都心部の過密緩和を図り、高い水準の研究や教育の拠点となるように構想されました。1985年には国際科学技術博覧会(つくば万博)を開催。「人間・居住・環境と科学技術」をテーマに、海外から47カ国、37の国際機関、国内から28の企業・団体がパビリオンを連ね、2033万人を超える入場者数を記録しました。
現在では約2万人の研究者を抱える科学の街として発展し、ノーベル賞受賞者も出ています。緑豊かな都市環境と、歩行者自転車専用道路(ペデストリアンデッキ)やガードレールのない道路の配置など、革新的で計算された街づくりが特徴です。そんなつくば市を象徴する存在としてフックン船長は誕生しました。
公募で集まった様々なキャラクターデザインの中から、つくば市らしさを感じさせるモチーフ、インパクトのある見た目が決め手となり選ばれたフックン船長。初期のデザインに加え、年々様々なポーズやシチュエーションのイラストが新規作成されており、今はつくば市市長公室広報戦略課の職員が、フックン船長のイラスト制作を直接手がけています。「2019年に茨城県で開催される国民体育大会に向けて、最近ではフックン船長が競技に取り組むイラストもつくるようになりました」と担当職員は言います。
宇宙飛行士型ふくろうロボットなので、バッテリーによる稼働時間が限られていることになります。暑さも苦手。2016年8月11日に開催された、ガマガエルの供養と商売繁盛を願う祭り「筑波山ガマまつり」でのこと。ガマガエルのマスクを被って筑波山の門前通りを全速力で駆け抜ける「筑波山がまレース」の、ご当地キャラクター部門に出場しましたが、「エネルギー切れ」で途中棄権するなど、ロボットならではの一面も。そんなフックン船長は地元つくばの魅力をアピールするため、「まつりつくば」や「つくばフェスティバル」など大きなイベントから、ショッピングセンター、幼稚園、保育園、学校の催しまで、年間100日以上のペースで各種イベントに出演し、盛り上げています。
2016年から、フックン船長は第58次南極地域観測隊とともに南極へ派遣され昭和基地に「滞在」しています。その様子を「フックン船長南極レポート」として、市公式facebookページ「つくばファンクラブ」で不定期発信しています。この写真は、リポートで届いたもののひとつです。毎年、市内研究機関などの職員らが南極地域観測隊として南極派遣されており、彼らの活動を市民に周知し、親しみを持ってもらうためにこの取り組みが始まりました。
将来は宇宙飛行士になって宇宙で活躍したい、というフックン船長。2018年5月18日に宇宙飛行士の野口聡一さんが市役所へ来庁した際、フックン船長は「宇宙につれてって」と書かれたうちわでアピールしました。夢を実現するための努力を欠かしません。
地元の幼稚園から南極まで。幅広く活躍するフックン船長が宇宙へ行く日も、そう遠くないかもしれません。
(大野紗弥佳)
国際科学技術博覧会(つくば万博)
1985年3月17日~9月16日、茨城県の筑波研究学園都市で開催された国際博覧会。展示の中ではロボットによる楽器演奏の実演などが注目されました。
「コスモ星丸」は、UFOをイメージした公式マスコットキャラクター。全国の小中学生から集められた1万5245点から、応募当時中学1年だった愛知県在住の高垣真紀さんのデザインが採用されました。選考委員だったイラストレーターの和田誠さんが最後に手を入れて仕上げたそうです。
つくば市 データ ・1987年11月30日 大穂町、豊里町、桜村、谷田部町が合併し、つくば市が誕生 ・市ゆかりの著名人 |